不死鳥: 絶滅の縁から甦った5種の鳥

わずか12羽から復活したトキ 写真提供: © Wang LiQiang / Shutterstock

保全活動は機能しています: 今世紀だけで25種の鳥が絶滅危惧IA類から格下げされました。今回は、保護活動家とコミュニティの尽力により復活を果たした5種の鳥の復活物語をご紹介します。

人は自然の回復力を過小評価することがあります。少しでもチャンスがあれば、環境は再び成長を始め、個体群は回復するでしょう。人類が大きな問題を起こしたことは否定できませんが、十分な支援、努力そしてリソースがあれば、私たちは形成を逆転させることもできるのです。私たちが行動を起こせば、すぐさま自然は復活を始めます。

鳥の世界には、特別に輝かしい事例があります。バードライフの「2018年版世界の鳥の現状(State of the World’s Birds 2018)」には、2000年以降25種の鳥が絶滅危惧IA類のカテゴリーから救い出されたことが記されています。この数には、格下げには至らなかったものの、保護プロジェクトの助けがなければ絶滅していたであろう種は含まれていません。今回は、最も代表的な5種の例を取り上げました。

 

1.アゾレスウソ: 再び世界を楽しむ

在来の照葉樹林の復元によりアゾレスウソの餌資源が増加
写真提供: © putneymark

この可愛い丸っこいフィンチには貧乏から大金持ちになったおとぎ話があります。個体数がわずか40ペアから1,000羽強に増えたのです。同種はポルトガルの島の自然照葉樹林に完全に依存しています。不幸にもこれらの貴重な広大な森林は農業目的で伐採され、あるいはカヒリジンジャー(ハワイ原産のショウガの一種)などの外来種に浸食されてしまいました。ふっくらとした外観にもかかわらずアゾレスウソは飢えていたのです。

数十年にわたる減少の後、2005年までにアゾレスウソは欧州で最も危機にある鳥という不名誉な肩書を与えられてしまいました。けれども正に危機一髪という時に、SPEA(ポルトガル鳥類調査協会: 同国のバードライフ・パートナー)と言う名の輝く鎧を身に付けた騎士が登場しました。彼らは自生の照葉樹林300ヘクタールの復元を主導しました。その結果、2010年にはアゾレスウソは絶滅危惧IA類から同IB類に格下げされました。彼らの復活劇はそこに留まらず、2016年には再び格下げされ、絶滅危惧II類となったのです。

 

2.キミミインコ: 大衆の力

大人気のオウムバスがキャンペーンの鍵
写真提供: © Francesco Veronesi / Proaves

かつてはエクアドルとコロンビアの雲霧林で普通種だったキミミインコは、1990年代までにエクアドルでは完全に姿を消し、科学者は野生絶滅を懸念していました。その理由は彼らの家となる木、キンディオワックスヤシの伐採です。何世紀にもわたってワックスヤシの葉はチリのコミュニティで行われるパーム・サンデーと呼ばれる祝典の装飾として利用され、野生の木が減少しました。

そして1999年にかすかな希望が見つかりました。コロンビアのアンデス山脈の人里離れた場所で81羽が発見されたのです。この発見に勢いづけられ、保護活動団体が大規模な啓発キャンペーンを開始しました。テレビやラジオでのアピール、音楽コンサート、大人気の 「オウムバス」の訪問活動などです。一般の支持を受けて地元の団体は巣箱の設置、植樹、問題となったヤシの持続可能な代替品の推進などの取り組みを行うことが出来ました。キミミインコの個体数は今や1,000羽を超え、さらに増え続けています。

ちなみに、この鳥の名前に疑問があるかも知れませんが、本種の黄色の羽毛は実際に耳まで伸びているので、実に正確な名前なのです。

 

3.クロツラヘラサギ: 安全な避難所

広い地域を渡るこの鳥の保全には特有の課題があった 写真提供: © Cp9asngf

この鳥の嘴の特異な形は見間違えようがありません。この嘴は単に見せるためのものではありません。この見事なヘラは、餌を見つけるのを適しているのです。金属探知機と同様に、クロツラヘラサギは海老や魚に触れるまで浅瀬で嘴を右から左へ動かすのです。不幸なことに、この鳥が餌場とする干潟は干拓や建設に浸食され続けています。

アゾレスウソとは異なり、クロツラヘラサギは小さな島々に限られた種でなく、東アジア全域を渡る鳥です。ですからその保全には特有の課題があります。だからこそ中国、台湾、北朝鮮、韓国、日本がその主要な繁殖地と越冬地を保護区にするという行動計画をまとめたのです。そして、それが功を奏しました。安全な避難場所ができたことにより、個体数が僅か300羽から4,000羽に増えたのです。

 

4.トキ: ボディガード付きの鳥

安全な繁殖がトキ復活の鍵
写真提供: © Wang LiQiang / Shutterstock

わずか12羽から復活することなど本当にあるのでしょうか?このショッキングピンクの水鳥は、大方の予想に打ち勝ったのです。トキはかつてロシアの極東地域、日本、中国にかけて繁殖していましたが、人の活動があらゆる方面から影響を及ぼしました。森林の営巣地は切り倒されました。農薬が田んぼで餌としていたカエルや魚や無脊椎動物を一掃しました。そして狩猟が状況をさらに悪化させました。1981年までに中国では個体数が7羽となり、日本では最後の5羽が飼育のために捕獲されました。

多方面にわたる問題は多面的解決策を必要としました。鳥の生息地での樹木伐採、農薬使用、狩猟が禁止されました。営巣地では繁殖期に個別のボディーガードが付きました。中国で緊急捕獲繁殖プログラムが開始され、その子孫が直ちに主要なトキ生息地に放鳥されました。現在では野生の個体数は500羽を超え、その後、日本でも中国からの再導入が成功し、韓国での放鳥も計画されています。

 

5.コスミレコンゴウインコ: 誰のものでもない

コスミレコンゴウインコの捕獲防止のために覆面捜査官が野生生物取引に潜入
写真提供: © Joao Quental

このブラジル原産の鳥は、野生の個体群が発見されるずっと前からペットとして世界の国々で知られていました。野生個体群が発見された時には、無規制の野生生物取引が本種を急減させたことは明らかでした。そして1983年には、コスミレコンゴウインコはわずか60羽しか生き残っていませんでした。大きなコロニーを作って営巣する習性が、一網打尽に捕らえられる原因となりました。CITES(野生生物取引条約)が売買停止のために介入しましたが、個体数は回復しませんでした。その後、本種の半砂漠環境が農業により劣化しており、さらに別の助けが必要なことが明らかになりました。

そこで、生息地を守り、地元のコミュニティを教育し、反狩猟法が着実に執行されるよう、多くの団体が団結しました。元を断つために覆面捜査官が取引の現場に潜入しました。今やコスミレコンゴウインコの未来はその羽と同じくらい明るく見えます。最新の調査では、1,294個体が観察されました。

 

希望の理由

ではこれらの話は私たちに何を示しているのでしょうか?すべてに対応できる解決策はありません。それぞれの鳥が違うのです。にもかかわらず、状況を改善するのに遅すぎるということは滅多にありません。もし十分な数の人が一緒になって共通の目的を目指すなら、どのようなことも可能です。私たちはこれまでにもやってきましたし、今後も続けていくつもりです。

絶滅危惧種を救うバードライフの活動にご支援ください。

 

報告者:Jessica Law

原文はこちら

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