鳥インフルエンザが南極で初確認され、危険にさらされるペンギンたち
鳥インフルエンザが南極で初確認され、数種のペンギンに新たな懸念が生じている。もし鳥インフルエンザが蔓延すれば、ペンギンの個体数や繁殖への影響は計り知れない。
鳥インフルエンザはアラスカから南極における海鳥のコロニーに深刻な影響を及ぼしており、現在ではジェンツーペンギンやキングペンギンなど数種のペンギンに与える影響が懸念されています。
海鳥の密集した個体群は、ウイルスが蔓延しやすい環境下にあり、水や糞、感染した動物や死骸との接触によって感染する可能性があります。崖の上や岩場には海鳥が集まるため、ウイルスが海鳥の間で蔓延し、死骸などを食べる腐肉食の鳥類がさらに広範囲にウイルスを伝搬させます。
ペンギンは、特に繁殖期に同じような集団生活を送ります。氷上の面積が縮小し、流氷が破壊され、南極地域全体のコロニーに混乱を引き起こしているため、ペンギンはすでに危機的状況に陥っていますが、もし鳥インフルエンザが蔓延すれば、個体数と繁殖へのダメージは壊滅的なものになるでしょう。
バードライフのシニア・フライウェイ・コンサベーション・オフィサーであるウィレム・ヴァン・デン・ボッシュはこう述べます。:
「鳥インフルエンザウイルスと未接触である鳥類や哺乳類の個体群が生息する地域にウイルスが侵入した場合、その被害は甚大になる可能性があります。残念なことに、南米では新型インフルエンザH5N1型が数十万羽の海鳥と数万頭の海棲哺乳類を死に至らしめました。南極大陸で繁殖する海鳥の密集した個体群、特にペンギンの間でウイルスが急激に蔓延しないことを祈っています。」
バードライフはパートナー団体とともに、鳥インフルエンザの発生状況を監視し、種間の感染拡大や感染数に関する情報を収集するために、活動を推進し、投資しています。この情報は、ウイルスの影響や、繁殖地の損失・劣化のため既に悪影響下にある個体群に迫る危機的状況を示し、政策立案者の意識啓発を行うためにも非常に重要です。
このモニタリングは、私たちのパートナー団体であるイギリスのRSPB、セルビアの鳥類保護研究協会、ハンガリーのMME、ヘレニズム鳥類学協会(HOS)、そしてバードライフ・南アフリカ、バード・カナダ、日本野鳥の会などにより、ハイイロペリカン、ペンギンからナベヅルの個体群まで、広く行われています。私たちのパートナー団体は死亡率や影響が及んだ地域、コロニーを追跡調査しています。
原文 “Penguins at Risk as Avian Flu Reaches the Antarctic”
(本文を一部編集しました)