マレーシアのIBAでのヘラシギの観察でCEMEX社による新規支援の重要性が明らかになった
マレーシア北西部のIBA(重要生息環境)での調査で、デーブ・ベイクウェル(マレーシア自然協会=MNSのメンバーで、野鳥調査のリーダー)は、朝靄を通して特徴的な‘除雪機’に似た採餌行動に気がついて、干潟に居た1万羽以上の鳥の中から1羽のヘラシギを見つけ出しました。
ヘラシギは成鳥の個体数が世界中で240~400羽と推定される絶滅危惧ⅠA類の種です。そのため一つ一つの観察例がヘラシギという種と彼らが生き残るために依存しているサイトについてより多くを知るために重要なのです。
最近MNS(マレーシアのパートナー)、CEMEX社(世界的なセメント会社)、バードライフ・インターナショナルの3者間で始まったパートナーシップは、マレーシア本土のペナン州での生物多様性を評価するために地域全体を見るアプローチを取っています。それには既に15,000羽以上の鳥にとって極めて大切なサイトであることが分かっているこのIBAのモニタリングも含まれています。
世界で最も希少で絶滅の恐れがあるシギ・チドリ類の一種ヘラシギがTeluk Air Tawar-Kuala Muda海岸IBAで観察されたことは(ペナン州ではここ9年間で2回目の記録)CEMEX・バードライフ・MNSのパートナーシップの価値を鮮明にし、特にこのIBAをモニターし保全を行う助けになる資金を提供します。
マイク・クロスビー(バードライフ・インターナショナル上級保護活動オフィサーおよびアジアの鳥のエキスパート)はヘラシギの希少性を前提に、マレーシアでの観察の重要性を次のように述べました。
「このことは非繁殖期にマレーシアに現れるヘラシギが少数居る可能性があることを示しています。それが不定期に行われる水鳥調査の時に偶々見つかるのでしょう。CEMEX社による調査やモニタリングへの支援はヘラシギや他の世界的に危惧されている種の生息地を見つけるチャンスを増やすのに貢献しています。」
CEMEXとバードライフのパートナーシップの一環として、CEMEXマレーシアとMNSは今年の初めに共同でマレーシアでの生物多様性の保護活動のスケール・アップを始めました。同パートナーシップはペナンのCEMEXの採石場とTeluk Air Tawar-Kuala Muda海岸IBAなどの広範囲な地域に最初は的を絞り、干潟を保全するより良い方法を探ります。
あと2週間このIBAでの調査が予定されている中でデーブ・ベイクェルは言いました。
「CEMEX-MNS-バードライフの協力は数年間にわたるこのサイトの正確なアセスメントを可能にし、このサイトが現在も多くの渉禽類の生息地であることが分かるよう勇気を与えています。ちなみにここはIUCNのレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に分類されているカラフトアオアシシギ63羽の注目すべき塒で、この個体数は世界の10%以上の可能性があります。」
「2013年2月25日に1羽のヘラシギが発見されたことはこのIBAの重要性を強調するものです。CEMEXによるMNSのこのサイト保全活動への支援は、ペナンの海岸線に沿って経済的開発が引き続き増大する圧力から同サイトが長期にわたって保護されるという希望を与えるものです。」
ヘラシギはロシア北東部で繁殖し、東南アジアで越冬するために東アジアの海岸に沿って渡りをします。ヘラシギを守るためにバードライフのパートナーは‘絶滅阻止プログラム’の元にこのフライウェイ全域でタイアップしています。
バードライフとCEMEXのようなパートナーシップの支援がもっとあれば、マレーシアのヘラシギ同様にフライウェイ全体で鳥を守ることが出来ると期待されています。