絶滅危惧種の保護

かつては1世紀に1種の鳥が絶滅していましたが、この30年は21種もの鳥類が絶滅しており、種の絶滅が急速に進んでいます。現在8種に1種(合計1,409種)が絶滅の危機にさらされており、また鳥類全体で急激に数が減っています。1970年以降、北米だけで30億羽近く、さらに1980年以降、欧州でも6億羽が失われました。また、日本では1850年以降、森林と湿地に生息する固有種がそれぞれ94%と88%減少しました。鳥類を絶滅から救うために、バードライフは100年に及ぶ鳥類保護の経験と国際ネットワークを活かし、種の保全に取り組んでいます。


科学データに基づいた分析と評価

バードライフは調査や分析結果をもとに、種の個体数や生息地、直面する脅威や保護に必要な措置を明らかにしています。こうした調査・分析結果は、4年毎に世界の鳥類の現状を報告する『State of the World’s Birds』にまとめ、公表しています。また、バードライフは、IUCNレッドリストの鳥類の公式評価機関として、世界の鳥類11,000種の状況を定期的に評価し、絶滅危惧種を特定しています。その他、地域別レッド・データブックの発行や4年ごとの絶滅危惧種チェックリストの作成などを行っています。こうした科学データに基づいた分析や評価結果は、世界中のNGOやIGO(政府間組織)、政府機関で活用されています。


Preventing Extinctions Programme (種の絶滅回避プログラム)

こバードライフでは、世界レベルで絶滅が危惧される鳥類の保護活動に取り組むため「Preventing Extinctions Programme」を進めています。企業や団体、個人が特定の種の保全のためにSpecies Guardians(種の「保護者」)となって活動を推進します。一方、その活動を資金面でバックアップするのがSpecies Champions(種の「擁護者」)と呼ばれる企業や個人です。現在、483種がプログラムの対象になっており、アジアではオナガサイチョウヘラシギシマアオジ、ヒガシシナアジサシ、ミンドロヒムネバト、カタジロトキなどが含まれています。

 

バードライフ・インターナショナル東京での主な種の保全活動


普通種の保全

バードライフ・インターナショナルは絶滅が危惧される鳥類だけではなく、減少が続く普通種の保護についても「普通種を普通の存在として維持しよう」キャンペーンを企画し、積極的に展開しています。いくつかの地域では普通種の生息数の変化を継続的に調査しており、この調査から得られたデータは鳥類の保全計画のみならず、土地利用から政策提言まで広く活用されています。


生息環境の保全

これらの種の保全のためには生息環境である熱帯雨林や湿地の保全が重要であることはもちろんのこと、生態系サービスの価値を評価し、土地利用や優先的保全地域の検討や保全戦略を提言することが次の課題となっています。

 

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