かけがえのないナトロン湖(タンザニア)

コフラミンゴ
写真提供: © Andries Oudshoorn

ナトロン湖はコフラミンゴの繁殖地として世界的に知られており、およそ50万ペアが営巣と子育てのために訪れます。その他にも渡り鳥も留鳥も両方とも多数の水鳥を見ることができます。ナトロン湖は東部リフト渓谷の河床の、閉ざされた盆地にある塩分濃度の高い浅い湖です。面積は1,540平方キロメートルもありますが、深さは僅か50センチメートルしかありません。このIBA(重要生息環境)は国際的に重要な湿地であるラムサール・サイトにも指定されていますが、国による保全が行われていません。

ナトロン湖のコフラミンゴ 写真提供: © Soaring Flamingo

ナトロン湖のコフラミンゴ
写真提供: © Soaring Flamingo

この湖の最大の脅威は、湖底に溜まった豊富なソーダ灰を採取するための採鉱場を作る計画です。採掘場は水深や水質を変化させ、それがフラミンゴや他の水鳥の繁殖だけでなく、この地方の広い範囲で重要な収入源である観光業にも影響するでしょう。2007~2009年にバードライフはナトロン湖諮問委員会(56の機関の連合)の支援を受けてキャンペーンを展開し、この場所での大規模なソーダ灰工場開発計画を中止させることに成功しました。それ以後、バードライフは地元コミュニティの生計を改善し、観光業を振興することを目的とするプロジェクトを実施しました。

残念ながら、ナトロン湖はまだ完全に安全とは言えません。現政権は保全に前向きですが、将来状況が変わるかも知れず、地元の人々からの幅広い支援を得ることが湖を守るためには重要です。

 

報告者: Zoltan Waliczky

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