海洋保全のe-Atlasが世界の海を管理するためのデータの共有で飛躍的な前進を記した

渡り性海鳥保護のため、初めての重要サイトの世界的リストが完成
写真提供:T Martin

渡り性海鳥保護のための初めての世界的重要サイトのリストは海洋保全に対する重要な貢献であることを示しています。これは2020年までに海洋および沿岸地域の10%を保全するというCBD(生物多様性条約)の目標を達成するために不可欠な資料であることを証明するでしょう。それはまた生態学的・生物学的に重要な海域(EBSA)を記述するプロセスにとって非常に重要であり、洋上エネルギー・インフラの立地に対して重要な情報にもなるでしょう。

マリーンIBA(海鳥を指標とする重要自然海洋環境)のe-Atlas(電子版データベース)が10月16日にインド・ハイデラバードで開催されているCBD(生物多様性条約)のCOP-11(第11回締約国会議)でバードライフ・インターナショナルにより発表されました。

このe-Atlasは世界中で3,000箇所のマリーンIBAをカバーしています。これは6年にわたる努力の結果で、これまでにバードライフ・パートナー内外の世界の主導的海鳥の専門家が加わったおよそ40のバードライフ・パートナーが含まれており、それらと政府の自然保護、環境および漁業関連の当局、国際会議(CBD、EU野鳥指令の事務局、ナイロビ会議など)との共同で作られました。150箇所以上のマリーンIBAがEBSAを定めるCBDのプロセスで既に承認されています。

このe-Atlasは保護活動実行者や政策決定者にとって重要な情報を提供します。エネルギー部門の計画者(風力発電、ガスおよびオイル探査と掘削)、漁業管理者、海洋汚染管理計画者および保険産業などがこれに該当します。

海鳥は今や最も絶滅が危惧される鳥のグループです。多くの種が公海上や複数の排他的経済水域を数千キロにわたって飛行し、陸地には繁殖の時にだけ戻ることから、海鳥特有の保護問題を提起します。

「海鳥が移動する長い距離、長時間に及ぶ洋上生活および彼らが海で直面する様々な脅威を考えると、海鳥保護のための優先サイトのネットワークを特定することは、彼らが今後も確実に生き残るために不可欠です。」とバードライフのマリーンIBA担当者のベン・ラッセルは言っています。

このe-Atlasはクジラ、ウミガメ、サメなどの他の移動性海洋動物分類群の保護にとって重要な地域のリストを作るモデルにもなります。IBAは、保護活動の優先順位を特定する信頼性があり容易にモニターできる方法を提供することにより、鳥以外の生物の多様性の代表的な割合を把握できることが分かっています。従って、IBAを効果的に管理すれば広い範囲の分類群と生息地の保護を助けます。バードライフは世界海洋生物多様性イニシアティブ(GOBI)を通して鳥以外の海洋生物群の保護のために活動している他の組織とも連携して活動を行ってまいりました。

ベン・ラッセルは、「私達は、この先マリーンIBAのe-Atlasが海の管理にとって重要な助けになり、データが海洋保全の目的のために共有された時に得られる利益を広範囲の海洋コミュニティが受けられることを期待しています。」と述べています。

報告者:Ben Lascelles

 

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