重要な最新情報:コウモリはCOVID-19(新型コロナウイルス)を拡散しない

オオホオヒゲコウモリ 写真提供:© C. Robiller / Naturlichter.de

COVID-19(新型コロナウイルス)の拡散を止めるために、コウモリを殺処分するという見当違いな試みが世界中から報告されています。自然界全体を守るための提言として、バードライフは事実を明らかにし、この生態学的な破壊行為を止めさせるために、最新の科学的情報を報告します。

コロナウイルスのこれ以上の拡散を食い止めるため、世界中で様々な取り組みが強化される中、複数地域のコミュニティや政府がこのウィルスと闘うためにコウモリを殺処分しているという情報が多数報告されています。バードライフにとってこれは悲しくも記憶に新しい状況です。2006年に発生した鳥インフルエンザのパンデミックの最中には、渡り性水鳥の殺処分や彼らの生息地である湿地の水を抜くなど様々な要求がありました。

私たちは事実を明確にすることが重要だと考えています。以下にCMS(移動性野生動物種の保全に関する条約)、EUROBATS(欧州のコウモリの保全に関する協定)、AEWA(アフリカ・ユーラシア渡り性水鳥の保全に関する協定)から私たちに届いた、最新の科学的事実をお知らせします。

 

  • コウモリはCOVID-19を拡散しない。COVID-19は人から人へ感染している。
  • そもそも、コウモリがCOVID-19を直接 人に感染させたという証拠はない。科学的調査によりコウモリを巻き込んだ可能性のある一連の出来事は示唆されているが、おそらく中間の動物を介したものにすぎない。
  • 世界中にはおよそ1,400種のコウモリが生息している。多くは都市環境に適応しており、裏庭や都市の公園に住み、橋の下もねぐらにしているが、近隣に住む住人には僅かの脅威も与えていない。
  • コウモリは、花粉の媒介、種子の散布、害虫駆除など人間に膨大な利益をもたらしており、その価値は毎年数十億ドルに相当する。
  • 多くのコウモリ類が苦境にあり、生き残るために私たちの助けを必要としている。数十種のコウモリはCMSやEUROBATSにより守られているが、世界では彼らを守るためにはより多くのことが必要である。コウモリの殺処分はCOVID-19の拡散防止に何の効果もないばかりか、コウモリ類の保全に悪影響を与えるだけだろう。

 

報告者:Jessica Law

 

バードライフでは地道な調査研究活動を行っています。継続的な調査活動のために
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