魚と一緒に海鳥も食べますか?

ミズナギドリを引っ張る漁師
写真提供:(c) Vero Cortes

海鳥は商業漁船が狙っている正に同じ場所で餌を求めて潜り、しばしば延縄漁の針に掛かったり、漁網に絡まって溺れ死んでしまいます。これが‘海鳥の混獲’と呼ばれています。この偶発的な捕獲が世界中の海で毎年数十万羽の海鳥が死ぬ原因になっています。これは同時に鳥ではなく魚を捕りたい漁師にとってもお金のかかる厄介な問題です。

農家が畑にカカシを置くのと同様に、漁師も‘トリポール’をセットすることが出来ます。これは魚の漁獲を減らさずに海鳥の捕獲数を大幅に減らすことのできる混獲問題を解決する簡単で安価な方法の一例です。

法整備もこのような形での解決策を確実に進める上で大きな進展を図ることが出来ます。2014年11月に欧州委員会が海鳥の偶発的捕獲を最小化するためのアクション・プランを提案してから2年を迎えました。加盟国には混獲の入手可能なデータの見直し、詳細な調査を要する漁場の特定、グラン・ソルでのはえ縄漁やバルチック海での定置網漁などの判明している漁場における証明済みの混獲軽減方法の実施など重要な活動を行うことが期待されていました。しかしこれまでのところ、これらの活動は最小限に止まっています。

漁業のための技術的対策やデータ収集に関する枠組みなどは、欧州での法律制定が確実に行われる基本ルールを作るための元になるでしょう。さらに、漁業管理における計画段階でも、これらの問題に地域レベルで対処するための具体的行動を含む必要があります。

残念ながら、欧州委員会は複数年計画の中にバルチック海のための具体的解決策を盛り込むことに失敗しました。欧州議会や欧州理事会にはこれを変えようとする意志があるのでしょうか?欧州委員会は2015年に提案の予定になっている北海の複数年計画で同じ誤りを犯すのでしょうか?

欧州連合(EU)は海鳥を守る意思があるのでしょうか?

(報告者:ブルーナ・カンポス)

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