オニミズナギドリの巣: ベルレンガ群島からのライブ放送
先週からベルレンガ・グランデ島にあるオニミズナギドリの巣の様子をwww.berlengas.eu/ninho-ao-vivoからライブでご覧いただけます。LIFEのベルレンガ・プロジェクトのチームが巣にカメラを設置したことで、毎日その様子をインターネットで見ることができるようになりました。
母鳥は6月初めに卵を1個産み、両親が交代で温め、7月19日に雛が孵化しました。その後数日間、両親が交代で雛に餌を与える姿が観察できました。両親はこの後も10月末まで幼鳥に餌を与え、幼鳥は巣立ちを迎えます。このペアは2006年から観察が続けられているのですが、インターネットのライブ放送で見ることができるようになったのは今回が初めてです。
通常、オニミズナギドリは毎年1個の卵を、光が当たらない穴の中に産卵するので、彼らがそこで何をしているのかを見るのは容易ではありません。幸運にも、SPEA(ポルトガルのパートナー)がオニミズナギドリの巣の一つを観察するためにビデオカメラを設置しました。カメラは太陽光パネルによる電力で稼動し、画像の転送ができるようにGSMネットワークに接続されています。午後3時から5時までの間、巣には若干の太陽光が射すので、その時はカメラがカラーで映像を流すことができ、それ以外の時間は赤外線カメラがモノクロ画像を放映します。巣での活動は夜の初めの時間にピークを迎えます。
‘LIFEベルレンガ’は、海鳥の主要な脅威を軽減または除去することにより、ベルレンガ群島の環境や海鳥個体群および固有植物を保護することを目的とした保護プロジェクトです。同プロジェクトは特に魚釣り、レクリエーション活動やツーリズムなど、ベルレンガ特別保護区の持続可能な利用を推進しています。このプロジェクトは多くの団体の協力で進められており、バードライフのポルトガルのバードライフ・パートナーSPEAが調整役を担っています。プロジェクトは2014年6月1日に開始され、2018年9月30日まで実施され、EU(欧州連合)のLIFEプログラムからの共同資金支援を受けています。
LIFEベルレンガ・プロジェクトのコーディネーターJoana Andradeによれば、「このイニシアティブによって、一般にあまり知られていないこの海鳥への人々の関心を高め、その繁殖地について知ることになるでしょう。ライブ放送によって、私たちはこのペアの幼鳥が毎日育ってゆく様子を見ることができるのです。」
オニミズナギドリは外洋性の海鳥で、強風や荒れた海に耐え、一生の大部分を海で過ごし、営巣のときだけ陸地に上がります。長命な鳥で、30年以上生きると推定されています。このペアのメスは2007年に足環が装着され、その時点で既に繁殖が可能なほど成熟していたので少なくとも18歳であることが分かっています。オスはそれよりも若いでしょうが、少なくとも11歳です。
本種は沿岸域のいたるところで観察できますが、ベルレンガ群島は唯一の大陸の繁殖地です。2011年に本種の個体数は1,000羽と推測されました。1980年以後、繁殖個体数は毎年10%増加をしていますが、これは人工巣の制作や他の保護対策の直接の結果で、その一部はSPEAが実施しました。
「この啓蒙活動の狙いは、この保護地区の隠された宝を紹介することです。このLIFEプロジェクトは、人と鳥の両方の利益のために、この地域のの諸機関と利用者を結束させ、この島の将来とその価値の保全を確実なものにするためのものです。」とLIFEベルレンガ・プロジェクトのコーディネーターJoana Andradeは書きました。
報告者: Joana Domingues
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