100年の足跡は未来へ続きます(2)
世界の鳥類と環境の窮状を前に、先見性のある自然保護活動家たちが集まり、国際的な活動を始めたのは、 100年前のことでした。国内で活動を行ういくつかの組織が基盤となり、着実に勢いを増し、最終的には自然のために世界へと声を上げることができる組織に発展しました。それが、バードライフ ・インターナショナルです。
2022年、バードライフは100周年を迎えました。バードライフの歴史を振り返る物語を、四回に分けてご紹介しています。
新しい時代には新しい問題が
第一次世界大戦の荒廃の後、世界の工業経済は爆発的に成長し、自然や生活における環境の質に有害な影響を与えるようになりました。それと並行して、ラジオや映画という新しい現象が、現代のデジタル技術の進歩のように加速度的に人々を結び付け、こうした代償に対する人々の意識を高めていきました。
しかし、既に1922年の数十年前から、バードライフのDNAに組み込まれている自然保護意識は飛躍的に高まっていたのです。
バードライフの最も古いパートナーであるボンベイ自然史協会(BNHS)は、1883年以来自然保護に取り組んできました。当時も現在と同様、鳥類は人間の活動がもたらす壊滅的な結果に対する早期警告システムでした。19世紀後半、インド、ヨーロッパ、アメリカ大陸のいずれにおいても、人間が自然を破壊しているという知識が広まり始めました。
BNHS、RSPB、Audubonの他にも、多くのパートナーが一世紀以上にわたって鳥類と自然のために最前線で闘ってきました。ドイツのバードライフ・パートナーNABUとオランダのVBNは、1899年に別の名前で活動を開始しました。1901年には王立オーストラリア鳥類学者連合が誕生し、そこからバード・オーストラリアが生まれ、バードライフ・パートナーになりました。
Dansk Ornitologisk Forening (バードライフ・デンマーク )は1906年に設立されました。東アフリカ自然史協会(後にバードライフ・パートナーのネイチャー・ケニアとネイチャー・ウガンダに発展)は1909年に初めて会合を開き、フランスのパートナーであるLigue pour la Protection des Oiseaux(LPO)は1912年に設立されました。
アベス・アルゼンチンは、1916年にSociedad Ornitológica del Plataとして活動を開始しました。ルクセンブルクのバードライフ、Lëtzebuerger Natura Vulleschutzligaは1920年、エストニア鳥類学会は1921年、スイスのSVS/バードライフ・スイスは1922年に誕生しています。
各地で、立ち上がった人々。その想いがさらに世界に広がって行きます。物語は、次回へと続きます。
報告者 Christopher Sands
“100-years-and-counting”を一部編集しました
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