ソロモンミズナギドリの探索: 8日間の航海
暗色で下腹部が白い小型の海鳥、ソロモンミズナギドリは、営巣地の発見が出来なければほぼ間違いなく絶滅してしまいます。このような危機感から、勇敢なバードライフのチームが今週末に8日間の探索の航海に出発しました。
彼らはパプアニューギニアのニューアイランド島およびニューブリテン島付近のどこかに居る絶滅危惧ⅠA類のソロモンミズナギドリ追跡の航海に出発する予定です。その姿が初めて記録されてから80年以上経ちますが、本種の営巣地は不明のままです。
チーム・メンバーのJez Birdは、私たちは直ちに行動を起こさなければならないと考えており、「太平洋全域でミズナギドリ類が昔からの生息地から居なくなっているか、彼らが生息しているほとんどの島で個体群が減少しています。彼らにとって最大の脅威は外来種による捕食で、ソロモンミズナギドリの営巣地を発見することは彼らの将来を査定し、追跡調査を始める上でも最重要なのです。」と述べています。
ソロモンミズナギドリの推定個体数は成鳥50~249羽です。私たちには彼らの雛や卵を外来種の捕食から守るための時間があまりありません。
太平洋全域での保護イニシアティブ‘Petrels in Peril(危機にあるミズナギドリ類)’の一環として、ソロモンミズナギドリの営巣地を発見するための新しい取り組みが試験的に行われています。目的の一つは、小型の追跡装置を装着するために海鳥を捕獲することです。チーム・メンバーのChris Gaskinはこの技術を使って、ニュージーランドアシナガウミツバメ(New Zealand Storm-petrel: 和名未定につき仮称)の未知の営巣地の発見に成功した実績があります。
またChrisは、「これはまだ長い道のりのスタート地点ですが、これからの2週間が最も重要でしょう。私たちが調査をする度に学ぶことがたくさんあるのです。この鳥を発見できるでしょうか?捕獲するのに十分近くまで彼らを引きつけることが出来るでしょうか?追跡技術はうまく機能するでしょうか?全てが重要な疑問ですが、この旅の終わりにはきっと答えが得られると期待しています。」と述べています。
2007年のHadoram Shirihaiによる海上での再発見以来、ソロモンミズナギドリの生息地を明らかにするための旅が始まりました。本種については依然としてほとんど分かっていませんが、バードライフはこの活動に焦点を絞っています。今回の調査行はパプアニューギニアから遠隔のビスマルク諸島の一つニューアイルランド島の南端付近の海域に注力する予定です。もしソロモンミズナギドリが見つかり、十分な近くまで引き寄せることが出来れば特別に考案されたネットで鳥を捕獲する予定です。鳥が捕獲できれば直ちに回収し、繁殖状況を調べ、写真を撮り、安全に海に放鳥します。
「私たちはこの他にも効果的な方法を用意しています。もし条件が良く、ソロモンミズナギドリがそこに居れば、私たちは今回本種について分かる限りのことをあらゆる方法を用いて見つけます。この計画では、最終的に本種が地上のどこでヒナを育てるのかを明らかにするために、2017年には追跡装置を装着します。」とChrisは付言しています。
クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)はパプアニューギニアの島々、ソロモン諸島、バヌアツ全域での自然保護活動を支援しています。ソロモンミズナギドリはその中心となる種の一つです。CEPFの資金支援によるこのプロジェクトは地元の自然保護グループのAilan Awarenessと野生生物保護協会が共同で行っており、ニューアイルランドの州政府とパプアニューギニアの環境庁の支援を受けています。これらの組織を得て、プロジェクトは今後のソロモンミズナギドリの保護活動を支援する広範囲の支持者を作ることを目的としています。Ailan Awarenessの責任者John Ainiは「私たちはここニューアイルランドの世話役です。ここで見られる種はどれもが私たちが将来世代のために守ろうとしている豊かな未来像の一部なのです。それが、私たちがこの重要なプロジェクトを支援する理由です。」と認めました。
報告者: Steve Cranwell
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