世界で最も危機にある地域はどこ?

世界の絶滅危惧種についてはよく耳にしているでしょう。‘危機にあるIBA(重要生息環境)’とは世界で最も危機にある地域のことです。

リソースが限られる中、どうすれば世界の鳥や自然を効率的に守れるでしょうか?保護を成功させるには重要な場所に優先順位を付ける必要があるのです。

IBA(重要生息環境)は世界の鳥と自然の保全のための国際的に重要なサイトで、バードライフは世界に12,000ヶ所のIBAを指定しています。

けれどもこれらのサイトの幾つかは劣化や破壊の危機に直面しており、緊急の配慮が必要です。これらのサイトを‘危機にあるIBA’と呼びます。

ここ数十年に亘りバードライフは‘鳥類のレッド・リスト’の担当機関となっています。2013年以後は、バードライフ・パートナーによるモニタリング・データにより特定された、最も危機にある地域して、‘危機にあるIBA’のリストも公開して来ました。今日発表された2015年度更新版には100以上の国の422ヶ所の‘危機にあるIBA’が示されています。

‘危機にあるIBA’についてはバードライフの新しい「ストーリー・マップ」でご覧いただけます。

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最も危機にある地域の脅威は何?

IBAに対しる最大の脅威は農業、水管理、火事、狩猟、樹木伐採、動植物の採取、攪乱です。

‘危機にあるIBA’に特定されたサイトの半数以上が国内あるいは国際的に少なくとも一部は保全されているのですが、こうした保護区でさえもこれらの脅威から逃れられません。

これらのサイトのうち200ヶ所は湿地で、さらにそのうちの70ヶ所はラムサール条約により指定された‘国際的に重要な湿地’でもあります。そのリストにはあの素晴らしいスペインのドニャーナや米国のエバーグレーズなど11の世界遺産も含まれています。

バードライフ・パートナーの対応

この課題に取り組むべく、バードライフ・パートナー、地域保全グループ、他のNGOおよび政府機関は、これらのIBAの3分の2のサイトで既に行動を起こしています。最近の成功例としては欧州裁判所により、アオガンの黒海沿岸での世界的な拠点であるカリアクラをブルガリアが保全していないことを糾弾する決定なされた事例があります。

一年前、成功事例として、数百万羽の渡り性シギ・チドリ類の越冬地である北部パナマ湾の保全状態回復のためのパナマの組織の取り組みを報告しました。昨年12月、パナマ・オーデュボン協会(同国のバードライフ・パートナー)の事務局長ロサベル・ミロはこの活動での貢献を評して‘ディズニー自然保護ヒーロー賞’を受賞しました。

この良いニュースを祝うパナマ・オーデュボン協会のスタッフ 写真提供: © PAS

この良いニュースを祝うパナマ・オーデュボン協会のスタッフ
写真提供: © PAS

残念ながら、支援が遅すぎたIBAもあるのです。マラウィ共和国(アフリカ)のThyolo山森林保護区は農地への転換が進み、復元の見込みはがほとんどありません。バードライフはこれ以上の‘危機にあるIBA’が失われることを回避するため、全ての利害関係者と保護活動団体の精力的な活動を訴えています。

鳥: メッセンジャー

鳥は保護活動の分野で実際的な対象となります。鳥は他の動物や植物の生物多様性の効率的な指標として示され、特に保全対象のサイトを確定するために使われてきました。IBAは鳥類をもとに定められますが、これらのサイトの保全は同時に多くの動植物の保全につながるのです。

カリアクラIBAのアオガン 写真提供: © Daniel Mitev

カリアクラIBAのアオガン
写真提供: © Daniel Mitev

次のステップは何?

バードライフはパートナー団体と共同で一般の認識を高めるキャンペーンを通じてIBAが直面する脅威の増大に対処する取り組みを行っています。また、パートナーが効果的なサイトの保全対策を立てるための支援も行いました。近年、バードライフ・パートナーは232ヶ所の‘危機にあるIBA’で積極的に活動し、地域や国のスケールで広範囲の活動を行っています。

バードライフはパートナーを通じて世界で推定2,500人のボランティアによる地元保護グループと共に彼らのIBAをモニターし、保全活動を行っています。

 

報告者:Shaun Hurrell, Zoltan Waliczky

原文はこちら

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