鳥インフルエンザへの対策 – セネガル、ガンビア、ギニアビサウにおけるケース

バードライフ・アフリカは、セネガル、ガンビア、ギニアビサウの海岸沿いで数千羽の鳥を襲った鳥インフルエンザを懸念しています。   

世界中で高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が野鳥の大量死を引き起こしています。2021年に始まった鳥インフルエンザの大流行は、史上最悪のとなりました。この感染症は、家きんの間で進化したウイルスによって引き起こされ、鳥の糞、水、直接の接触を介して広がります。現在のウイルスは野鳥にも罹患するよう進化したと見られています。その結果、猛禽類やハゲワシのような腐肉食の鳥類だけでなく、水鳥や海鳥が特に大きな被害を受けています。

2023年3月以来、セネガル、ガンビア、ギニアビサウの沿岸で数千羽の鳥が死んだことが報告されており、地元当局によると、死因は地域で発生した鳥インフルエンザによるものでした。

セネガル、ダカール市のヨフ島近辺で行われたアジサシの調査© Directorate of Veterinary Services and DPN

 

セネガルでは、鳥インフルエンザの流行で、アフリカオオアジサシ(Thalasseus maxima)とオニアジサシ(Hydroprogne caspia)、ズアオカモメ(Larus cirrocephalus)が、北部のラング・ド・バルバリで600羽以上、ラクローズで200羽、ヨフ島(ダカール地方)で約100羽が死亡しました。南部(カザマンス地方、特にカリッサイヤ)では、92羽の鳥が死亡し、生態毒物学・環境安全地域研究センター(CERES LOCUSTOX)の分析によると、そのほとんどがアフリカオオアジサシとオニアジサシであり、深刻な状況です。

2年前、渡り鳥の楽園であるセネガルで、鳥インフルエンザの発生がトップニュースとなりました。政府からの発表を受け、「2021年1月23日、ジュッジ鳥類国立公園の職員によるパトロールの結果、740羽の若鳥と10羽の成鳥、計750羽のモモイロの死亡が確認された」と報じらたのです。

バードライフのパートナーでもある自然コミュニティー開発(Nature Communauté et Développement (NCD))の事務局長のAliou Ba氏は、「このような惨事が再び起きているのを目の当たりにするのは嘆かわしいことです。セネガルにおける鳥インフルエンザについて計画的なモニタリングを実施することが非常に重要です」と話します。

隣国ギニアビサウのバンタンブルでは、1071羽の(Thalasseus maxima)、44羽のオニアジサシ(Hydroprogne Caspia)、1羽のアジサシ(Stern hirundo)、ズアオカモメ(Larus cirrocephalus)1羽、ハシボソカモメ(Chroicocephalus genei)2羽、カワウ(Phalacrocorax carbo)1羽、ズキンハゲワシ(Necrosyrte monachus)1羽と、さらに事態は深刻です。

ギニアビサウ、バンタンブールで確認されたアジサシの死骸 © Guinée Ecologie

 

ガンビアのビジョル諸島(タンジ川 カリンティ鳥類保護区の一部)では、多くの渡り鳥が生息する沖合の2つの島で、数種の鳥が被害を受けています。H5N1の発生が確認されて以来、4月15日のガンビア国内の報告によると、国内で6945羽が死亡しました。発生以来、西アフリカ野鳥研究協会(West African Bird Study AssociationWABSA)は公園野生生物管理局(Department of Parks & Wildlife Management:DPWM)と協力し、国境なき自然保護活動(Conservation without Borders)とDPWMの支援を受け、沿岸地域の重要(IBA)のモニタリングを行っています。チームはモニタリングと島での啓発活動のための撮影を行いました。107羽の鳥の死骸が発見され、埋葬されました。その中には、2羽の標識されたアフリカオオアジサシ(リングナンバー7177574 museum SC NAT 1000 Brusselsとリングナンバー1380142 Vogeltrek stations ARN HEM Holland)も含まれています。

「バードライフは、パートナーであるセネガルの NCD、ギニアビサウの ODZH、ガンビアの WABSA とともに、高病原性鳥インフルエンザをモニタリングし住民の意識を高め、野鳥の死骸を発見した場合に必要な対処方法と手段を見つけるよう努めます。私たちが西アフリカで長年行ってきた鳥類保護は、この大流行によって大きな損失を被っています」と、バードライフ・インターナショナル、東大西洋フライウェイ・イニシアティブ(EAFI)マネージャーのGeoffroy Citegeste氏は話しました。

ガンビア、タンジ野鳥保護区の一部であるビジョル諸島において死んだアジサシ © WABSA – West African Bird Study Association

 

バードライフの対応

東大西洋フライウェイ沿いのバードライフ・パートナーは、重要生息環境(IBA)内外で野鳥の死亡状況をモニタリングし、当局に警告するため、地域コミュニティ・ネットワークを構築しました。

バードライフは、国際湿地保全連合(Wetlands International)、沿岸と海洋の保全のための地域共同体(le Partenariat Régional pour la zone côtière et Marine (PRCM))、ワッデン海フライウェイ・イニシアティブ(Wadden Sea Flyway Initiative)と連携して、沿岸性水鳥と湿地に関する行動計画(PAZHOC)を策定し、モーリタニアやセネガル、ギニアビサウにおいてコロニーで繁殖する鳥類のモニタリングを支援しています。このプロジェクトは、渡り鳥にとって重要な沿岸湿地や、マングローブ林や島々など鳥の繁殖コロニーがあるこれら3カ国を対象としています。

また、バードライフ・アフリカは、セネガル、モーリタニア、ガンビア、ギニアビサウの各政府に対し、鳥インフルエンザへの緊急対策、保護地域のモニタリング、湿地付近の養鶏場へのウイルス拡散防止策を含む管理対策の強化を求めています。

バードライフとパートナーは、どのような種が影響を受け、保全活動にどのような影響を与えるかを理解するため、鳥類に感染するウイルスとその環境をモニタリングしています。死亡した鳥類を検査することは、個体数や繁殖への影響を理解するだけでなく、ボツリヌス症や海上での荒天など、大量死に関する別の要因を除外するためにも不可欠です。 さらに、現在のモニタリング手法は、ウイルスが養鶏場に拡散するリスクを評価することに主眼が置かれており、野鳥の個体群保護には適していません。今後は、ウイルスがどのように拡散し、進化していくのかを注視し、よりよく理解する必要があります。

 

報告者:Cheikh Bamba Ndao

原文 “Response to the outbreak of avian flu in Senegal, Gambia, and Guinea‑Bissau

(本文を一部編集しました)

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