100年の足跡は未来へ続きます(4)
世界の鳥類と環境の窮状を前に、先見性のある自然保護活動家たちが集まり、国際的な活動を始めたのは、 100年前のことでした。国内で活動を行ういくつかの組織が基盤となり、着実に勢いを増し、最終的には自然のために世界へと声を上げることができる組織に発展しました。それが、バードライフ ・インターナショナルです。
2022年、バードライフは100周年を迎えました。バードライフの歴史を振り返る物語を、四回に分けてご紹介しています。
女性の活躍
鳥類や自然を保護しようという意識が世界中に広がり始めた中、1935年の第6回会合では、RSPBのPhyllis Barclay-Smithがロンドンの事務局次長に任命されました(彼女の叔母、Margaretta LemonがRSPBの初期の創設者の一人だったことは、少なからず影響をしていると考えられます)。1946年、彼女はLeon Lippens伯爵の後任として国際鳥類保護会議 (ICBP)の事務局長に就任しました。1960年代の実質的な保全策を講じ始めた重要な時にICBPをリードし、後年ではRobin Chancellorの補佐を受けながら1974年から78年まで事務局長を務めました。
1958年、Phyllis Barclay-Smithは、自然保護活動への貢献により、女性で初めてMBE(大英帝国勲章メンバー)を授与され、1970年にはCBE(同コマンダー)に任命されました。当時組織のリーダーとしては珍しく女性であったこと、また長期に渡り務めたことが印象的でした。これは、RSPBの設立に携わったEmily Williamsonが果たした役割を思い起こさせるものであり、また現バードライフCEOのPatricia Zuritaが継続して抱く長期的なテーマの一つでもあります。
1978年にPhyllis Barclay-Smithが引退した当時、ICBPのすべての役職はボランティアで無給でしたが、組織のメンバーはフルタイムのディレクターを雇用することを決定しました。1980年に任命されたスイスの保全生物学者Christoph Imboden博士は、戦略、プログラム、方針を策定する役割を担う事務局を設立するため、専門スタッフの任命に着手しました。
最初の五人の従業員のうちの一人がNigel Collar博士で、彼はレッドブックの取り纏め役として入社し、現在もバードライフに在籍しています。同年、事務局はケンブリッジに移転し、新設された国際自然保護連合(IUCN)の種保存モニタリングユニットとオフィスを共有することになりました。
1985年、Cristoph ImbodenはICBPの新しい方向性について議論を開始し、「強い同盟で結ばれた全国的な組織のネットワーク」として、バードライフ・インターナショナルと改め再スタートさせました。1993年3月には、新しい名称とロゴが制定されました。
そして今日、バードライフ・ファミリーは最も強力な存在となり、世界中の117のパートナーと共に、すべての大陸で鳥類と生息地の保護に取り組んでいます。
バードライフを導いてきた基本原則は、1922年にバードライフが設立されたときと変わらず生き続けています。
報告者 Christopher Sands
“100-years-and-counting”を一部編集しました
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