大きな作業の準備に伴う熱帯の島の種を救うための新調査

このような島では外来種のネズミが駆除されれば絶滅危惧種が立ち直ります。
写真提供:Island Conservation

私たちがフランス領ポリネシアで野鳥を絶滅から救うための史上最大の作戦を準備していることから、熱帯の島の復元の重要性が国際的科学雑誌により認められました。

国際的雑誌‘Biological Conservation’(生物学的保護)の2015年5月号には、熱帯の島の保全が特集されています。この特別号は外来種のネズミを駆除することにより島々にかつての栄光を復活させる最善の方法を勧めています。人間がネズミを持ち込んで以来、信じられないような破壊が起きたのです。

このような方法は最初太平洋でバードライフやアイランド・コンサベーションなどのパートナーによって行われ、現在では世界中で用いられています。私たちは2013年に行われた専門家のシンポジウムに参加しましたが、それが今回の‘Biological Conservation’の特集号につながりました。

特集号は正にバードライフがパートナーと共に過去最大の島の復元プロジェクトを準備している時に発行されました。そのプロジェクトとは、ほとんどの原産種の鳥が今すぐにも絶滅する危険があるフランス領ポリネシアで外来種を駆除するという大掛かりで重要な作業です。私たちのボートが絶海のアクティオン列島とガンビエ列島に向けての使命の準備をしている現在、このプロジェクトの資金目標の79%が達成されました。

この作業は、太平洋の5つの国に属する34の島からネズミを始めとする鳥を殺す外来種の駆除に成功した実施済みの科学的方法により、絶滅危惧ⅠA類のツアモツシギとポリネシアアルキバトに対して行われています。けれどもボートが島を離れるまでに資金目標を達成し、1年間の慎重な計画と調査をするための皆様の協力が必要です。このニュースにより皆様が最善の科学的調査と進展に裏打ちされたプロジェクトを応援していることを確信されるでしょう。

皆様のご支援が絶滅危惧ⅠA類のポリネシアアルキバト(写真)の復活を可能にします。 写真提供:Pete Morris; worldsrarestbirds.com

皆様のご支援が絶滅危惧ⅠA類のポリネシアアルキバト(写真)の復活を可能にします。
写真提供:Pete Morris; worldsrarestbirds.com

外来種のネズミは世界の島々の80%以上に人と共にやって来て、173種の固有の動植物に悪影響を与えており、その多くが絶滅の危機にあります。島の生態系復元を助けるためにネズミの駆除は最大の喫緊かつ重要な活動です。しかし特集号の著者が示したように、熱帯の島でのネズミの駆除は温帯でのそれと比べて成功率が低く、最近は80%以下になっており、私たちの島復元のツールキットに重大なギャップをもたらしています。

特集号にはネズミの生態と管理に関する最先端の熱帯の島での調査、ネズミの駆除に関する最良の方法の推奨、島の復元のための革新的な新技術などに焦点を当てた10の審査済み論文が掲載されています。これは熱帯の島における調査の改善とネズミの駆除に対する道を示すもので、究極的には、私たちが、保護が最も必要な熱帯の島嶼の絶滅危惧種をより早く救うことが出来るということを意味します。

「このような知識が共有される恩恵は、バードライフとアイランド・コンサベーションを含むパートナーにより5月にフランス領ポリネシアで行われる作業に適用される予定です。この共同作業と結果の進展は6つの島で、8種の世界的絶滅危惧種を守るという成功の可能性を高めるでしょう。重要なのは、この作業が熱帯の島の脆弱な環境と、絶滅が危惧される野生生物を保護している生物学者と島の再生に取り組む人たちの知識を増やし続けることです。」とバードライフの外来種プログラムのマネジャーSteve Cranwellは言いました。

(報告者:ショーン・ハレル)

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