リビアのシビル・ソサイエティが湿地の野生生物を祝い、未来に目を向ける
2015年‘世界湿地の日’の祝典がリビア野鳥の会(LSB)とリビア環境総局(EGA)により首都トリポリのミティガ湿地で開催されました。このイベントは毎年2月2日に湿地生態系の重要性への関心と理解を高めるために世界各地で行われます。
リビアの地中海沿岸ではオオフラミンゴ、オグロシギ、アカハシカモメ、ヨーロッパジシギなどの水鳥を見ることが出来ます。これらの湿地サイトは多くの動植物にとって重要です。 しかし、一方では生息地の喪失や昔からの水鳥の狩猟などの大きな脅威があるのです。
リビアでは環境問題が大きく、悲しいことに、社会の不安定のためにこれに取り組むことが殆ど不可能です。ガダフィ体制の下ではシビル・ソサイエティ団体は禁止されていました。2011年のリビアの市民戦争後にNGOが次々に現れましたが、彼らには経験も自然保護プロジェクトを実施するための支援も殆どありませんでした。国連のクリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金がリビアの環境NGOに対する初めての直接の寄付を行いました。このLSBへの財政支援は彼らの能力構築のために不可欠です。
LSBなどのNGOは安全問題、インフラ問題、限られたインターネットへのアクセス、法的障壁などに毎日直面し、これに適応しなければなりません。それにもかかわらず、生物多様性の重要性に関する大きな仕事が行われ、成功したイベントが開催され、重要なメッセージが市民の間で共有されています。
水鳥の専門家、トリポリ大学動物学部の学生、若い活動家グループなどを含む多くの人たちがリビアでの‘世界湿地の日’イベントに加わりました。イベントは湿地の提供するサービス、湿地が守る様々な種、湿地による人への利益などを説明するように計画されました。湿地の水鳥と基本的なバードウオッチングのやり方をビジターに紹介する実際的なセッションが、このサイトの野生生物の豊富さへの関心を高めるのに役立ちました。
リビア市民は自然に対する情熱では他の国に負けてはいません。彼らは毎日起こる騒動に直面しながらも貴重な生物多様性を守りたいと思っているのです。彼らに野生生物を祝う機会を与え、その価値を教え、リビアの自然の美しさへの関心を広く世界で高めることが非常に大切なのです。
(報告者:リズ・スミス)