タンザニア政府の決定によりフラミンゴの重要な繁殖地が安全に

ナトロン湖には毎年この写真のようにコフラミンゴの群が集まります。 写真提供:Dr. Ajay Kumar Singh

タンザニア政府が、ナトロン湖岸にソーダ灰工場を建設することに反対する決定をしたことで10年に及ぶこの水域の運命を巡る争いが決着しました。

先週、自然保護界は素晴らしいニュースを受け取りました。タンザニア政府が将来起こりうる影響を認識して、ナトロン湖にソーダ灰(炭酸ナトリウム)工場を建設する計画を放棄したのです。ナトロン湖はコフラミンゴの最も重要な繁殖地です。バードライフはタンザニア政府のこの決定とフラミンゴを守るという約束を喜んでいます。

「このタンザニア政府の動きは、ナトロン湖の地元コミュニティのために持続可能な代替案として私たちが進めているエコツーリズムの振興を法的に有効にするものです。ダーウィン基金の3年間のプロジェクトにより、エコツーリズムの連携を助けると共に管理能力を高める長期計画が既に行われています。バードライフはタンザニア政府との前向きな関係が続くことを期待しています。」とバードライフのCEOパトリシア・ズリータは言いました。

タンザニア北部に位置するナトロン湖は、コフラミンゴの生息地です。多くの動植物は気温がしばしば40度を超え、皮膚が焼けるほどアルカリ性が強いこの湖を避けますが、高塩分濃度はより多くの餌があることを意味するのでフラミンゴにとっては天国です。世界のおよそ75%のコフラミンゴがこの湖で繁殖し、観光客はフラミンゴが求愛ダンスをしながら歩く、素晴らしい「ピンクのパレード」を見物するために集まります。

ナトロン湖に対する脅威は、2006年にタタ化学工業社とタンザニア政府の国営開発企業(NDC)がソーダ灰(炭酸ナトリウム)採取の提案を発表した時に始まりました。湖の近くにソーダ灰工場を建設すれば住民にもフラミンゴにとっても悲惨なことになったでしょう。工場はフラミンゴや地域住民から貴重な新鮮な水を取り上げ、排水を湖に流して水質を劣化させたでしょう。NDCは現在約50㎞離れたEngarukaにあるソーダ灰鉱脈に焦点を当てる提案を行っています。

「人々の生活と生計はこの湖とその環境と密接な関係にあります。ソーダ灰工場が建設されていたら家畜が草を食べ、水を飲む場所を破壊していたことでしょう。私たちは今後エコツーリズムに明るい未来を期待できるのです。」とナトロン湖のEngaresero区の議員Ibrahim Sakaiは言いました。

アルーシャ市の鳥に焦点を当てるNGO「ネーチャー・タンザニア」の理事長John Saleheも次のように述べています。

「私たちは政府がタンザニア、アフリカそして世界にとっての宝であるナトロン湖を守る決定をしたことに喜んでいます。ナトロン湖のような重要な生態系の未来はエコツーリズムにかかっており、それはタンザニアや他の東アフリカ諸国のGDPの12%に貢献します。」

 

報告者:Margaret Sessa

 

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