身近かにいる外来種
外来種に対する新しいEUの規制が発効されます。現在戦いは禁止される種のリストに移っています。デンマークの毛皮産業、ドイツのバイオ燃料部門、ハンガリーの蜂蜜メーカーなどが自分たちの製品が含まれないように激しいロビー活動を行うでしょう。
EU(欧州連合)は遂に外来種規制(IAS)を採択し、これは2015年1月1日から発効します。バードライフはIASが自然保護に効力があるよう条文に影響を与えることに成功し、その結果に満足しています。
けれども、新規制はEUが懸念している種のリストにのみ適用されるので、私たちはこのリストが地理的にも分類学的にも適切で典型的なものであることを確認する必要があります。リスト上の種は商取引、所有、繁殖または環境へのリリースが禁止されます。それに加えて、新規制加盟国は外来種の意図せざる侵入を防ぐための優先的手段のアクション・プラン作成と国境警備のシステムを整備しなければなりません。
残念ながら、欧州委員会は50~80種からなるあまり意欲的ではないリストを提案し、論議の的になる種(捕食性の高いアメリカミンクや経済的に重要なハリエンジュなど)はリストから除外する可能性があると言われています。同規制採択の準備段階での主な反対はデンマークの毛皮業者、ドイツのバイオ燃料部門、ハンガリーの蜂蜜メーカーなどから起きました。同グループおよび生きている生物の輸入業者(園芸業者やペット業界)が彼らの望む種がリストに掲載されることに対して激しいロビー活動をするものと予想されます。しかし、私たちは環境への影響が十分な注目を集めている科学に基づいたアプローチを守ります。私たちはEUにおける問題のある種の10%に取り組むために少なくとも200種がリストに掲載されるべきであると考えています。
欧州委員会は2016年の初めに加盟国の賛成を得るために提案を公表する予定です。このEUリストに掲載されない種は自由に取引され、運搬され、繁殖あるいは無制限にリリースされることになり、しかもリストは2021年まで見直しが行われない模様ですので、私たちはリスト作成のプロセスに出来る限り影響を与えるように活動するつもりです。そのために、バードライフ・ヨーロッパとRSPB(英国のパートナー)は外来種の優先リスト作成のために2015年に一連のワークショップを主催する予定です。
これはバードライフ・パートナーシップにとって現在および将来生物多様性に多大な影響を与えるこれらの種を強調する機会になるでしょう。それ故、皆様の参加が成功の鍵になります。この問題に引き続きご注目ください。
(報告者:匿名)
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