ペットとして販売するために違法に捕獲された野生のオウムを救うため、インドネシアとフィリピン政府が動き始めました

オウムはカラフルで美しく、おしゃべりができたりダンスができたり、人を楽しませてくれます。ペットとしても人気がありますが、どこからどのようにしてペットショップに並ぶかご存知でしょうか。

 

国連薬物犯罪事務所の最新の報告書によると、2015年から2021年にかけて、オウムとオカメインコは世界中で違法に取引された野生生物の押収量の4%を占めています。

 

アジアでは近年、ペット用に野生オウムの違法取引が増加しています。インドネシアの森に住むオウムたちは、デコイに誘因されて糊状の罠に捕まると、東南アジア各地の港に密輸されます。密輸には海のルートが使われることが多いと言われています。

 

「オウムの密輸は、監視が最も困難な地域で行われています。ブルーン・インドネシア(インドネシアのバードライフパートナー)のベニー・アラディンは、「2018年の北マルクでの事例調査では、ほぼすべての村がオウムの狩猟に関与していることが明らかになりました。集中的な保護活動によって状況は大きく改善されましたが、マルクの南部地域でも同様の問題が続いています。」と述べています。

 

野生の森からペットショップまでの道のりは残酷です。オウムはペットボトルや排水管に詰め込まれ、その多くは途中で死に、最終目的地に辿り着いたものは、自ら羽をむしり取るなどストレスの兆候を見せることが多くあります。

 

オウム種にとって、違法取引は野生での存在を脅かしています。バードライフ・インターナショナルの調査によると、絶滅危惧種であるタイホクオウム(Cacatua alba)とショウジョウインコ(Lorius garrulus)が直面する主な脅威は取引です。

 

インドネシアとフィリピンの両政府は、この違法な貿易に関して、解決策の検討に入りました。4月には、この問題に取り組むための革新的な戦略や協力関係を構築するために、各国の政府関係者がハリボン財団(フィリピンのバードライフパートナー)、ブルーン・インドネシア、バードライフ事務局のスタッフ及びその他のNGOのメンバーと共に動き始めました。

 

違法に取引される鳥の経済的価値が上昇し、その需要が高まる中、今回の会議はこれらの種にとって重要な局面を迎えています。2023年10月には、フィリピンとインドネシアが協力して、国境を越えて密輸された73羽のオウムを送還しました。

 

ペットとして売られているオウムやオカメインコを見かけたとき、その姿形が乱れていたり、羽がむしられているなどストレスの兆候が見られたり、人の気配に警戒しているようであれば、それは野生で捕獲されたオウムの可能性があります。このような販売業者からオウムを購入せず、各国の野生生物違法取引に関する関係当局、地元の警察署、または地元のバードライフパートナーに報告してください。報告することで、野生で捕獲されたオウムを取引から排除し、森林に生息させることができます。

 

コムラサキインコ(Eos squamata)の違法取引も増加している
写真提供:Tony Tilford for Shutterstock

 

「オウムの違法取引は、これらの素晴らしい鳥類を脅かすだけでなく、私たち全員が恩恵を受けている生態系の微妙なバランスをも脅かしています。パートナーシップを構築し、国際協力を強化し、断固とした行動をとるために、この機会を捉えましょう。ともに力を合わせれば、オウムと健全な生態系に依存するすべての生物にとって、より明るい未来を確保することができるのです。」 - アーリー・エンドニラ(ハリボン財団)

 

 

原文 Wild parrots illegally captured for pets, Indonesia and Philippines plan solutions – BirdLife International

(本文を一部編集しました)

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