バードライフが外洋でのマグロ漁を持続可能なものにするための専門知識を提供
バードライフ・パートナーシップは外洋で行われているマグロ漁における持続可能性と、生物多様性の保護を改善するための5ヵ年計画に対して、海鳥の混獲を減らす上での自らの比類のない経験により今後も貢献して行きます。2,700百万米ドルのプロジェクト‘国家管轄権外の地域におけるマグロ漁の持続可能な管理と生物多様性の保護’は地球環境ファシリティ(GEF)による資金提供と国連食糧農業機関(FAO)による運営が行われます。
このプロジェクトは、漁業の管理と持続可能性を、密漁、無報告、無規制の漁などを減らすための生態系を重視したアプローチを採用することにより改善し、生物多様性に対するマグロ漁のマイナスの影響を軽減することを目的としています。
この野心的なプロジェクトは世界のマグロ漁の主要関係者と海洋の生物多様性保護の世界的なリーダーを一堂に集めました。バードライフや他の自然保護・持続可能性保全NGOと共に、参加者には魚類の消費者と水産業を代表する団体や漁業を行っている国の政府および地域漁業管理機関(RFMO)が含まれています。
「このプロジェクトは、‘混獲’によって生じる脅威をより深く理解するために漁船員と保護活動家を結集させ、漁船団を背景に解決策が効果を上げる場所で実施することにより、外洋においてアホウドリ類とウミガメ類に対して大きな違いをもたらすものと私たちは期待しています。」とバードライフの世界海鳥プログラムのヘッドのクレオ・スモール博士は言いました。
「広範囲な協力体制と限られた能力および資源の利用を最大限にする相乗効果がなければ、持続可能な漁業と生物多様性の保護のための世界の目標を達成する可能性はほとんど無いでしょう。」とバードライフの世界海鳥プログラムのアフリカ地域コーディネーターのロス・ウォンレス博士は言いました。「このプロジェクトを通じた経験は、経済的、社会的、政治的に自信を育むためにRFMOとそのメンバー国、民間部門とNGOの間で共有されるでしょう。その結果、試験的な活動は規模が拡大され、他の場所へと広がるでしょう。」
バードライフは2004年以来、はえ縄漁と底引き網漁によるアホウドリとミズナギドリの偶発的な死をなくす方法の考案と実行を5つのRFMO(地域漁業管理機関)と共同で行って来ました。今では5つの機関すべてがアホウドリ類の生息地とオーバーラップする地域での‘混獲’軽減方法を用いることをはえ縄漁船に求めています。
このプロジェクトでのバードライフの役割は、南氷洋と南インド洋ではえ縄漁船が海鳥とウミガメ保護対策の実施を確実に行うことで、それにより海鳥、ウミガメの死を減らすことが目的です。バードライフの役割には‘混獲’軽減の装置や技術の準備と開発および漁船団の作業員やクルーがこれらを使うに当たってのトレーニングも含まれるでしょう。
バードライフの‘世界海鳥プログラム’は2005年に漁船団に‘混獲’軽減技術のトレーニングを船上で行うアホウドリ・タスクフォース(AFT)を作りました。AFTは現在南アフリカ共和国、ブラジル、チリ、アルゼンチン、ナミビア、ウルグアイ、エクアドルおよびペルーの漁港で作業を行っており、直近では韓国でも作業を始めました。
南氷洋の公海上でのマグロ延縄漁の90%以上は日本、台湾、中国、韓国の4か国が行っています。南アフリカのケープタウンは船団が外洋で捕った魚を水揚げする主要な港として戦略的な位置にあり、ATFチームもここに本拠を置いています。このため、このプロジェクトはバードライフ南アフリカを通して、ここが活動の中心になるでしょう。
バードライフ南アフリカはコーディネーター一人と遠洋の船団と作業を共に行う二人のAFTスタイルのインストラクターの合計3人のポストを作る予定です。重点業務は南氷洋とインド洋でマグロのRFMO(地域漁業管理機関)による海鳥とウミガメ‘混獲’軽減対策を実行に移すことで、この活動はプロジェクトの後半の年には太平洋へも拡張される可能性があります。
(報告者:Nick Langley)