欧州に野生生物が戻って来た

欧州に野生生物が戻って来た    
写真提供:Yathin; flickr.com    

種が本来の生息地へ戻って来ています

かつてない徹底的な調査により、ユーラシアビーバー、ヨーロッパバイソン、オジロワシなどが過去50年の間に欧州で目覚ましい復活を遂げた種として注目されています。

ロンドン動物学会(ZSL)、バードライフ・インターナショナルおよび欧州野鳥センサス評議会(EBCC)が欧州全域からの専門家と共に特定の種に関する分布と生息数のデータ収集に取り組みました。その結果報告書である‘欧州に野生生物が戻って来た’には過去50年の間に37種の哺乳類と鳥類がどのように数を増やしたか、また、幾つかのケースではどのように以前の欧州における生息地を取り戻したかが記載されています。

9月26日にロンドン動物園で開催されたイベントでこの研究結果が欧州議会議員のガーベン・ジャン・ガーブランディ氏に手渡されました。「この報告書は第一に自然の驚くべき回復力を示しています。さらにこれはEU政策の重要性を強調しています。即ち、‘鳥と生息地指令’、‘ナチュラ2000ネットワークによる保護区’および‘水の枠組み指令’などのEU政策の全てが野生生物の帰還を支えた明確な理由なのです。これらの象徴的な種は地方の開発に特別な機会を提供するので、欧州の野生生物復活は単なる自然保護を超えるものになります。」と彼は述べました。更に付言して「私は自然への賢明な投資は巨大な経済的機会を作り出すものと固く信じており、欧州での野生生物復活を実現するためにEU本部のあるブリュッセルで精力的に活動を続けるつもりです。」

バードライフ・ヨーロッパのEU政策ヘッドのエアリエル・ブラナーはこのイベントで次のように話しました。「この報告書に示された野生生物復活のケース・スタディは欧州における数十年の保護活動を支えるものです。‘鳥と生息地指令’のような理にかなった法律がより良い狩猟規制、種とサイトの保護、集中的な保護活動への投資へと導きました。この研究は十分な資源と適切な活動が行われれば種はたとえ絶滅の淵にあっても回復できるということを示しています。」

世界最大の猛禽類の一種であるオジロワシは多くの国で起きた1800年~1970年の間の劇的な減少や絶滅から目覚ましい復活を果たしました。法的保護のお蔭で欧州における個体数は1970年の2,500ペア以下という状態から2010年には9,600ペアに回復し、最近ではかつての生息地だった北西ヨーロッパの一部で復活を果たしています。

バードライフの欧州調査アシスタントのChristina Ieronymidouは「正しい活動を行えば保護は上手く行き種は復活します。‘野生生物復活研究’の中で私たちは19種の欧州の鳥を分析し、平均して年に5%増加していることが分かりました。種の増減は保護方法次第ですので私たちの活動には忍耐が必要です。」と言いました。

欧州で鳥や哺乳類の数が目覚ましい復活を果たしているにもかかわらず、依然として生物多様性は失われつつあります。この報告書の結果はかつて大きな減少があったということを背景にして読まれるべきです。ヨーロッパオオヤマネコやハイイロオオカミなどの肉食獣やアカトビなど多くの鳥では20世紀中ごろまでにその分布域や個体数が既にかつてのレベルを大幅に下回っていました。それ故、野生生物復活の成否の評価は、まだ多くの種が個体群を持続させるのに必要なレベルに達していないことから、注意深く行われなければなりません。

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