生物多様性と生態系サービスは人類の幸せに基本的な役割を果たす

全ての政策レベルで生物多様性と生態系を統合することが必要であると話した
バードライフ・インターナショナル評議会会長でトロンハイム生物多様性会議の創立者ピーター・シェイ

政府、非政府組織および学会を代表する120ヶ国からの300人を超える専門家と経済学者が5月27日~31日に開催されるトロンハイム生物多様性会議に出席するためにノルウェーに集まりました。20年に亘り適宜開催され高い評価を得ているこの会議は今回第7回目を迎えましたが、CBD(生物多様性条約)の実施に関係する諸問題を主要な利害関係者間が話し合うために重要な討論の場を提供します。

ノルウェー政府が、UNEP(国連環境計画)、CBD、FAO(食糧農業機関)、UNDP(国連開発計画)および世界銀行と協力して主催したこの会議は、持続可能な社会のための環境と経済が主要なテーマでした。発表者も参加者も持続可能な経済発展と貧困の撲滅を支える上で非常に重要な生物多様性への配慮がどのように政府と社会を通して統合され主流に組み入れられるかについて精査しました。これは2010年にパリで開催されたCBDの加盟国が採択した2011年~2020年生物多様性のための戦略計画の目標に沿うものです。

会議では政策、インセンティブ、ビジネス戦略の調整と融合がいかに持続可能な社会に向かっての開発の道筋を作る助けとなるかについて詳しく調べました。例えば、生物多様性と生態系サービスにとって有害なインセンティブと補助金を止め、どのようにこれらを改革する必要があるかについて認識を共有しました。

国の会計(GDP以上に)と企業の会計により幅広く採用され統合されることが可能な自然資本価値の認識方法も討議されました。特に、自然資産を変更するためのコストと生物多様性と生態系サービスを利用することで得られる収入を認識することが必要です。

会議は2015年以後の開発アジェンダに関する‘著名人による上級レベル・パネル’からの報告発表の日に閉幕しました。2012年6月の‘リオ+20サミット’で世界のリーダーたちは経済、社会と持続可能な開発の環境要因を統合するべき新しい‘持続可能な開発目標(SDG)’の作成を発動しました。会議の共同議長報告‘チャンスの時’で概要が述べられたように、トロンハイムからの明白なメッセージは、人類の実現可能な未来を確実にする上で、生物多様性の役割をSDGが完全に理解することが絶対に必要であるということです。世界193ヶ国の政府が採択した‘生物多様性のための戦略計画’にはこれらの目標に対する進行度を通知、測定する重要な役割を果たす枠組み、指標および測定基準が含まれています。

バードライフ・インターナショナル評議会会長のピーター・シェイは「トロンハイム会議はあらゆるレベルでの政策に亘り生物多様性と生態系の必要性と役割を真に統合する必要があることを強調しました。このことは、バードライフのパートナーシップにとって、持続可能な開発を達成するために必要な一致した活動を支援するために政府、企業、コミュニティと共にその活動を更に築き上げるための機会を明白に示しています。」と付言しました。

 

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