カリガネ カザフスタンで2013年“今年の鳥”に決まる
カザフスタンでは世界的に絶滅が危惧されている種カリガネ(世界の個体数はおよそ3万羽)を名誉ある2013年度の“今年の鳥”に選びました。このガンはカザフスタンのレッド・データ・ブックに含まれており、世界の個体数の95%までが同国の北部で大きな群れを作り、ツンドラ地帯で営巣するために、繁殖期と越冬期の渡りの際にカザフスタンを通過します。2012年にはカリガネはカザフスタンの環境保護省により承認された保護活動計画の一部になりました。
カザフスタン、ノルウェー、フィンランド、ロシア、ブルガリアの鳥類学者のグループが毎年渡り性ガン類のモニタリングを行っており、これはUNEP-AEWA(国連環境プログラムーアフリカ・ユーラシア水鳥条約)の支援とACBK(カザフスタン生物多様性保全協会: 同国のバードライフ・パートナー)の連携による‘カザフスタン・コスタナイ州の絶滅が危惧される水鳥への密猟の脅威を減らす’プロジェクトの主要な活動です。2012年の秋に行われたすべての希少で狩猟対象の水鳥などの個体数調査では2つの地域の89の湖で35,000羽のカリガネを記録しただけでなく、15万羽のアオガンを数え、この数はこれまでの本種の世界の個体数推定の2倍以上だったことからセンセーションを起こしました。
野外研究に加え、狩猟種の飼育場の管理者や狩猟監視員およびハンターと政府の役人が参加するミーティングが行われており、そこでは狩猟の管理や野生動物の保護に関する疑問などが討議されています。毎年カリガネや他の世界的な絶滅危惧種についての情報が掲載されたハンターのためのパンフレット、ポスター、質問票などが発行されています。
この活動は既に幾つかの狩猟地域の中に静かなゾーンやハンティング特別日を設定するなど重要な結果を出しています。これらの方策の結果、ほぼすべての渡り性ガン類の群が2012年秋には北カザフスタン西部の渡りの中継地に、南部の越冬地に飛び立つ直前に集まりました。