バードライフの持続可能な衣類の生産
毎年1千億着もの衣類の新商品が製造されますが、一方で毎秒トラックいっぱいの衣類が燃やされたり埋められたりしています。バードライフ公認の衣類を作っているTeemill社は、独自の革新的な循環型ファッションビジネスモデルで、無駄の多い「ファストファッション」に対抗するため懸命な努力をしています。共同創立者のMart Drake-Knightがその方法を説明します。
あなたは、ワイト島(英国)で衣料メーカーを納屋から立ち上げた兄弟のお一人ですが、その考えは元々どのように生まれたのでしょうか?
5歳の時、私たちは溢れかえったゴミ箱の前を通り過ぎ泣き始めてしまいました。ゴミ箱の中身をどうしたらよいか分からなかったからです。その時はゴミ回収者に手紙を出しました。大きくなった時、私たちはこの問題の一翼を担っていることが嫌で、世の中にあれば良いと望んでいた持続可能な製品を作りたかったのです。私たちは10代のころ200ポンドで、庭にあった母の納屋でこれを始めたのです。もし、若くてお金もないならば、新しい方法を考え付かなければならないのです。無駄は許されず、効率的なビジネスを考える時、それは持続可能性ともよく調和が取れています。今では私たちのチームは100人になり、サッカー場サイズの風力発電工場も持っています。
全ての製品が化学繊維不使用というのは素晴らしいことです。しかし、木綿は自然素材ではあるものの、大量の農薬使用とも結びついている水を大量に使う集約的な作物です。
水の問題はどこで木綿を作るかにかかっています。私たちは木綿をインド北部で雨季に育てているのです。ここは本当に雨の多い場所です。農民はしばしば殺虫剤を散布し持続可能でない肥料を使用しますが、有機農法はシンプルです。牛の糞と巧みな農業だけです。有機木綿農場を歩くと地面は湿り気があり暖かく、どこへ行っても昆虫が大騒ぎをしています。そして虫を追う鳥がいます。農場は本当に静かなので、家に戻って来るのが本当に怖いほどです。木綿はゆっくりと育てるほど品質が上がり、撚糸が長くなります。これは本当に素晴らしい柔らかな製品になることを意味するので、農家は重量当たりでの生産は下がりますが、面積当りではより多くの収入が得られるのです。
Teemill社の衣料品を買った人に対して、環境への影響を押さえることを目的に行っていることを説明して頂けますか?
農場から工場まで私たちは全生産工程をチェックしており、良い解決方法を求めています。例えば、染物工場からの排水が被服産業による汚染の主要因です。バードライフ用の生地が染色される所では、排水は回収され、洗浄され、再循環されて再利用されます。最終的にフィルターから出て来た水は非常に綺麗で、私がそれを飲んでいるビデオもあります。生産ラインを更に下るとサプライチェーンを管理する最高の技術があります。基本的にはAIの利用で、それにより決定を早め、在庫の予測精度を高めるので貨物の輸送に飛行機を利用する必要がなくなり、代わりに船便を利用しています。
あなたは最近の衣料産業でファストファッションや無駄の多いファッションに対する有望な解決策と思われる画期的なイノベーションを始められました。「循環型経済」とはどのような意味でしょうか?
循環型経済について考えるなら、経済とは生産ラインのようなものです。私たちは地面から資源を取り出し、これを製品に変え、最後に捨てています。まるで資源を採取し、廃棄物にしているベルトコンベアーのようです。私たちはこのラインを曲げて輪にしているのです。それは廃棄物を堆肥にするのではありません。製品を最初から戻って来るように設計し、使い古した素材を新しい製品に再生するシステムを開発することです。使用方法は洗濯ラベルの中にあります。使用者には新規注文に対して割引をします。新しい製品は回収した素材で作ります。ですから廃棄物の問題解決に貢献したり、無駄が少なく影響も少ない製品を考案したりするのではなく、私たちは廃棄物をなくしているのです。衣料産業を循環型に転換するには大規模な革新的変化が必要です。
ご自身を高めるために、どうされていますか?
化石燃料は再生可能エネルギーよりも安価で、化学繊維の服も安価です。ちょうど経済が正しいことをやる人に報いることがないのと同様、お互いに良い仕事を共有してもビジネスは報われません。競争と協力の間には対立があるのです。ですから私たちはTeemill社を設立しました。それは基本的に誰にでも私たちのサプライチェーンとシステムにアクセスでき、人々にクラウドを通して私たちの工場につながる店舗を作らせるものです。私たちにとって私たちの技術が良いことに利用されることが大切です。素晴らしい慈善団体がこのプラットフォームを利用し、最先端の持続可能性を世界の重要な問題に関心を持つ人々に届けることができれば、私達はものすごく嬉しいです。また彼らが最初に製品を受け取れたら、満足です。
衣服に関して、個人が環境への影響を減らすためにできることはありますか?
一つだけお勧めするとすれば、製品をつながりのあるシステムの一部であると考える事でしょう。製品が何で出来ているか、使い古した時その素材はどこで終わりを迎えるか、などです。このような小さな疑問が答えを出します。例えば昆虫の保護が鳥の命に影響することも、同じです。システムについて考え始める時や、上流または下流が何かを考えれば、解決の道は開けます。
バードライフの支援者に一言、お願いします。
私たちはバードライフを支援していることに誇りをもっています。また、支援者の皆さんが私たちの製品を楽しんでくれたことを願っています。また是非着古した製品を戻すことを忘れないでください、そうすれば私たちは素材の循環を守って行けるのです。
報告者:Shaun Hurrell
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