SPEAアルガルベ湿地IBAの永久保全を要求
ポルトガルの環境大臣がペラ湿原IBAをゴルフ・コースや休暇用複合施設を作るために壊すという計画に待ったをかけました。ペラ湿原はバーダーの間ではサルガドス潟湖という名前でよく知られています。開発は完全な環境アセスメント(EIA)が行われる間延期となっており、自然保護活動家はこれがこのサイトの永久的な救済につながることを望んでいます。
環境大臣はおよそ21,000人の署名を集めた請願書を受け取った数時間内に行動を起こしました。署名の半数以上がポルトガル外からのものであったという事実は、管理不備や過小評価されているアルガルベ海岸の湿地の運命について、地元だけで行われていた論争を過去30年でポルトガル最大の環境問題キャンペーンに形を変える助けとなりました。請願書はSPEA(ポルトガルのパートナー)などのNGOの連合である‘サルガドス潟湖の友’により提出されました。
「環境アセスメント(EIA)を命ずるにあたり、環境大臣は私たちの要望の最初の部分を満たしてくれました。」とSPEAの地方プログラム・コーディネーターのドミンゴス・レイタオは言いました。「これまでのところ順調なスタートですが、2013年がサルガドスにとっての本当のターニングポイントになるとするなら、環境大臣はサイトの完全な保全を行い、その生物多様性を維持、強化するための管理計画も実施するべきです。」
ペラ湿原は欧州連合(EU)内で絶滅が危惧されている地域的に重要な水鳥の個体群を有することでIBA(重要生息環境)として適格とされています。水鳥には越冬および渡りをするヘラサギ、ここで繁殖するヒメヨシゴイ、ムラサキサギ、セイケイ、セイタカシギおよびポルトガルで唯一繁殖するメジロガモが含まれます。サルガドスではおよそ150種の野鳥が記録されており、それによりアルガルベ地方の重要なバードウオッチングの場所の一つとなり、毎年エコツーリズムで数十万ユーロの収入を上げています。またポルトガル内外からの生徒や大学生の定期的な研究の場にもなっています。
けれどもペラ湿地は2002年まではIBAとして評価されておらず、ポルトガルの野鳥特別保護区(SPA)のリストに載っていませんでした。SPAにリストアップされていれば自動的にEUの保護地域のネットワークであるナチュラ2000の対象地になるのです。今までにSPAを開発の対象にすることを目論んだ、あるいはその保全に失敗した政府は欧州裁判所で訴追を受けています。
SPEAはEIAの結果、サルガドスの開発は永久に取り消されることに自信を持っています。最初2008年に承認されたこの開発プロジェクトは、新たに導入されたアルガルベ地方の計画法に違反しており、今再提出されれば承認されないでしょう。
SPEAと他の‘サルガドス潟湖の友’のメンバーは政府が自然保護区、出来ればSPAとしてこのサイトを公式に保全することを望んでいます。彼らはすでに承認されているサルガドスの管理計画の即時実施も要求しています。いろいろな案件の中で、計画には水門のシステムが明記されており、これは湿地を囲む土地を利用する鳥と人の双方の利益のために水面の高さを管理するものです。近年サルバドスを海と隔てる砂洲が、近隣のゴルフ場が洪水に襲われることを危惧して湿地を干拓し、巣をむき出しにして度々ブルドーザーにより破壊されていました。