ウズベキスタンで記録的な数のマミジロゲリの群を発見
最も最近に国際マミジロゲリ保護活動を支援する地域パートナーになった自然保護団体の一つはバードライフ・パートナーのウズベキスタン鳥類保護協会(UzSPB)です。この秋に行われた初めてのマミジロゲリ調査で、UzSPBは驚くような発見をしました。400羽以上のマミジロゲリが南へ渡る途上で、同国カシュカダリア州のTalimarzhan貯水池に居たのです。
この発見の重要性は注目に値します。この発見はウズベキスタンにとって重要なだけでなく、この渡りの群の個体数は近年インドとパキスタンで越冬するマミジロゲリの総個体数を大きく超えるので世界的にも重要なのです。
UzSPBはマミジロゲリの復活を助けるための国際的取り組みに最近加わった地域パートナーの一つで、彼らの加入と今年の調査はバードライフの‘種の保護者’プロジェクトに協賛しているスワロフスキー社の支援により可能となったのです。
Dr. Mukhtor Turaevに率いられたUzSPBのメンバー5人による調査はウズベキスタン各地で行われました。
9月4日~8日にTalimarzhan湖を訪れた時には3群合計29羽のマミジロゲリが観察され、次に9月16日~20日にこの大群が発見されたのです。
調査チームが9月26日~30日に訪れた3回目の調査時には大きな群は渡りを続けるために既に去った後でしたが、それでも7羽が観察されました。
Talimarzhan湖は農地と砂漠の間にある面積800ヘクタールの大きな貯水池で、ウズベキスタン南部のカルシの南西45kmに位置しています。このIBA(重要生息環境)を利用する絶滅危惧種にはメジロガモやフサエリショウノガンなどが居ます。今回の記録はこのサイトあるいは南部ウズベキスタンでマミジロゲリが発見された初めてのものです。
2012年9月に記録的な400羽を超えるマミジロゲリが居たということは、Talimarzhan湖が本種の越冬地であるインド亜大陸間の往復の渡りにとって重要な中継地である可能性を示すものです。現在このIBAは未保護の状態です。
ウズベキスタンでの記録的な群は次に疑問を招きます。この東に位置するフライウェイを取るマミジロゲリはどこで越冬するのかということです。この疑問を解く最善の方法は人工衛星追跡調査を続けることです。
2013年5月に私たちはカザフスタン全域で総合的な繁殖調査を行う予定です。その調査の主目的は繁殖個体群の実際の規模を査定することですが、私たちはこの機会を利用してもっと多くの営巣中の鳥に衛星追跡装置を装着しようと考えています。その実施はかなりの規模となり必要な調査を1ヶ月間行うには6つの調査チームが必要でしょう。このような活動には来年のプロジェクト予算に大きな追加負担が掛かるので私たちはこれを可能にするための必要資金の捻出が出来ることを望んでいます。
報告者:Martin Fowlie