アオコンゴウインコがブラジルで再発見
Pinpinおじいさんの夢は、大好きなアオコンゴウインコがブラジル・バイア州の乾燥したカーティンガ地域(ブラジル北東部の半乾燥地帯)の人口2万人の小さな村Curaçáの空を再び飛ぶ姿を見ることでした。この村ではヤギの牧畜が主な仕事です。Pinpin Oliveiraは去年94歳でこの世を去り、彼の夢は叶えられませんでした。けれどもそのバトンは16歳の孫娘Damilyに引き継がれました。彼女は2000年以後野生では見つかっていないアオコンゴウインコを見つけただけでなく、携帯電話で写真に撮ることが出来たのです。
アオコンゴウインコは売買のための罠猟による捕獲や、生息地の喪失が主な原因で絶滅危惧ⅠA類に分類されていますが、野生では絶滅している可能性があります。この有名な鮮やかな青い鳥はアニメーション映画‘リオ’の主役‘ブルー’と‘ジュエル’としてもスターになりました。
その鳥は先週の土曜日に最初に観察されました。最初に見たのは地元の農民Nauto Sergio de Oliveiraで、本当にアオコンゴウインコであることを確認するとすぐに隣人たちに伝えました。翌日、彼の妻Lourdes Oliveiraと娘のDamilys Oliveiraは夜明け前に起きてインコを探しにBarra Grande川の河畔林に出掛けました。そして午前6時20分、彼女たちは鳥の姿を見ることが出来ただけでなく、Damilysは携帯電話でビデオ撮影までやってのけたのです。
Lourdes Oliveiraはビデオを携えて ‘アオコンゴウインコ野生復帰プロジェクト(Spix’s Macaw in the Wild Project)’の一翼を担う団体、SAVE Brasil(ブラジルのバードライフ・パートナー)の生物学者に連絡を取りました。このビデオ映像と特徴のある声の録音が疑念をすべて消し去りました。それは本当にアオコンゴウインコだったのです。SAVE Brasilの理事Pedro Develeyは直ちに他のプロジェクトのメンバーにこのことを伝え、この鳥の正確な居場所を確認するためにCuraçáへの緊急調査に乗り出しました。
「地元の人たちは有頂天になっていました。彼らはこの鳥の居場所を突き止めるためにグループを結成し、商売人の侵入を規制しています。」とDeveleyは言いました。「私たちと2年間行動を共にして、彼らはアオコンゴウインコの再導入と保全に本当に希望と誇りを持っているのです。」
今回の個体の身元は不明で、捕獲されていたものが逃げてきた可能性も大いにあります。日曜日以後、このインコに関する追加のニュースは全くありません。けれども、プロジェクトに参加している生物学者とCuraçáの住民が探索を続けます。このエリアは広大で、アクセスの悪い場所もあり、居場所を突き止めるには困難が伴います。
‘アオコンゴウインコ野生化プロジェクト’のパートナーの一つで、ブラジル環境省の生物多様性部門長のUgo Vercilloによれば、アオコンゴウインコがCuraçá地域に現れたことはこのエリアを保全する必要性が高まったことを意味します。2014年以後、‘アオコンゴウインコ野生復帰プロジェクト’では、カーティンガと河畔林を保全する44,000ヘクタールの保護地区をこの地域に作る活動を行って来ました。
地元コミュニティはいつもアオコンゴウインコの帰りをずっと待っていました。今回の発見は、カーティンガに地域の大きな誇りを取り戻すという住民の希望をさらにふくらませることでしょう。
次週、ICMBio(生物多様性保全を担当する連邦政府環境局)に率いられた遠征隊が地元住民の活動に合流し、アオコンゴウインコの居場所の特定と、さらなるの情報収集を試みます。この遠征は‘アオコンゴウインコ野生復帰プロジェクト’の活動の一つで、ブラジル生物多様性基金による資金支援を受けています。
野外活動と並行して、将来の野外への再放鳥を目的に進められているの繁殖活動もプロジェクトの成功に不可欠で、それにはブリーダーのAWWP(カタール)、ACTP(ドイツ)、Fazenda Cachoeira(ブラジル)などの参加も重要です。合計すると彼らは130羽のアオコンゴウインコを飼育しており、数年のうちに、Curaçáで初めて放鳥する予定になっています。
次の目撃までは、今回観察された鳥の出生に関して多くの疑問が残ります。この地域にどうやって来たのか?どれ程の時間、自由に動き回っていたのか?どのようにして野生生活に適応したのか?答えはやがて分かるでしょう。今のところ、今回のワクワクは、「1羽のアオコンゴウインコがCuraçáのカーティンガで再び自由に飛び回っている」ということです。
「希望が戻って来ました。」とDeveleyは言いました。
報告者: Shaun Hurrell
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