春の授業は外で!
ハンガリーでは、鐘の音が賑やかな一日の始まりを告げます。どの学校でも、校庭は楽しそうな笑い声、弾むボール、子供たちの駆けっこや遊びで一杯になります。けれども今年の春、ジャールという町のAdy Endre小学校の上空では他と違った音が響きました。chirrrps と tseepsと名付けられたイワツバメがアフリカから到着したのです。教室での勉強から離れて生徒たちは何事なのか確かめるために外に出るのです。学校の建物の軒下に少なくとも10の巣がある、と彼らは言っています。
芸術の先生Ms Viktória Szabóは「イワツバメたちは到着以来ずっと忙しくしており、最近では雛に餌を与えるのに大忙しです。写真を撮ろうとしましたが、本当に早く飛ぶので簡単にはいきません。」と言っています。
Viktória先生は‘春は生き生き’プログラムを通して彼女の自然に対する熱意を、担当するクラスと共有しています。今年の同プログラムは生徒たちにツバメや他の渡り鳥が近隣に戻って来たことを祝うことを促すものです。
‘春は生き生き’プログラムはOTOP(ポーランドのパートナー)が主催するバードライフの自然保護教育イニシアティブで、子供たちに渡り鳥の保護のための行動するよう呼びかけます。人のくらしと密接に結びついているツバメやイワツバメは、誰もが何処でも貢献することが出来ます。
Viktória先生のクラスの30人の生徒はツバメとイワツバメが抱える問題を学びました。音楽、文学、作文および環境についての勉強を通して、生徒たちは渡りや、営巣や、採食習性についての知識を身に着けました。
「彼らは校庭にある小さなコロニーの写真を見たり、説明を聞きいたりして、‘春は生き生き’コンテストのために図面や写真を作りました。」とViktória先生は言っています。
生徒たちは‘春は生き生き’のネット情報を利用し、鳥を見るために外に出掛けて、‘イワツバメ専門家’になり、営巣や子育ての様子を観察しました。
学校からの様々な騒音にもかかわらず、イワツバメが影響を受けないことは明らかです。むしろ、これらのイワツバメは子供たちにとって初めての自然保護への入口であり、あるいは、今見ている鳥はアフリカの子供たちも一緒に見ている鳥だということを認識する機会でさえあるのです。
欧州での‘春は生き生き’プログラムの終わりが近付いた今、このプロジェクトは渡り鳥と共にアフリカへ場所を移し、‘春の双子’イニシアティブとして二つの大陸の学校をつなげるのです。
「渡り鳥の到着を知ることは自然への幅広い理解につながります。一部の鳥の渡りは理解の範囲を超えるほど広大です。地方の子供たちにとって、‘春は生き生き’キャンペーンは地球規模で物事を考える機会となります。」と‘春は生き生き’キャンペーンのコーディネーターKarolina Kalinowskaは言っています。
貴方が学校へ通っていたころを思い出すと、教室を離れて校外へ出て探検に行くのは素晴らしい体験だったのではありませんか?‘春は生き生き’キャンペーンのお蔭で、ハンガリーの生徒たちは幸運な事に授業の一環として体験が出来るのです。
報告者: Shaun Hurrell
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