ガーナでは間もなくヨウムが絶滅するかも知れない
過去20年間でガーナではヨウムの個体数の90-99%が失われました。これはガーナおよびマンチェスター・メトロポリタン大学とバードライフの英国共同の研究者チームが最近公表した調査によるもので、その資金はテネリフェ(スペイン領カナリア諸島の都市)のロロ・パルケ基金から提供されました。
ヨウムはかなりの数が商取引に出回っており、その個体数減少は何よりも1992年当時に知られていた主な塒のほぼ全てがなくなったことが証拠です。それに加えて、1990年代と比較して2014年にはヨウムを観察する機会がほぼ10分の1になっていること、および、この調査でインタビューをした約千人の地元住民の96%がヨウムの激減を認識していることもその証拠です。
「20年前には約1,200羽の個体が見られた塒への踏査を含む本格的な調査を行いましたが、僅か一握りほどのヨウムを見ただけでした。」と、ガーナ出身のマンチェスター・メトロポリタン大学院生で、鳥類学の国際的雑誌‘アイビス(トキの意味)誌’に掲載された論文の主筆者Nathaniel Annorbahは言いました。
「ガーナにおけるヨウムの個体群は壊滅的に減少し、現在では国全体で非常に希少になっています。」とバードライフのナイジェル・カラー博士は付言しました。
タイトル“商取引と環境変化によりガーナからヨウムがほぼ姿を消した”というこの論文は、個体数減少は4つの原因によるものと考えています。即ち、商取引、森林の全体的な減少、林業及び農場建設のための木材伐採です。
「違法取引は間違いなく私たちが報告した1990年代以後の減少の原因です。このことは商取引が禁止された1991年―2012年にガーナのヨウムの輸出は表向きには僅か35羽と報告されているにもかかわらず、個体数がその間に95%も減少したことからも確認されます。」とマンチェスター・メトロポリタン大学のスチュアート・マースデン博士は強調しています。
「ガーナ野生生物協会(GWS: ガーナのバードライフ・パートナー)の若手グループのガーナ野生生物クラブに主導されたヨウムの商取引禁止キャンペーンが成功を収めた後の今回の報告は大きな失望でした。」とガーナ野生生物協会のJapheth Roberts氏は言っています。「けれどもこれは持続的な保護活動と長期的な影響に関連する課題があることを示すものです。かつて成功を収めているのですから、GWSとそのパートナーにとって今はガーナのヨウムの壊滅的崩壊を阻止し、反転させるべき時なのです。」と彼は付言しました。
ヨウムの窮状はガーナだけではなく西アフリカのほとんどの地域に共通の問題です。「今回の調査や他の調査でも健全な状態にある個体群は見つかっていないことから、本種の商取引は地域内で確実に禁止されなければなりません。」とバードライフ・アフリカの‘種の科学’チームのリーダーKariuki Ndang’ang’aは述べています。
報告者: Kariuki Ndang’ang’a