観光業に対して鳥の価値を最大にする: ガイドブックが発行された

写真提供: Marcus Kohler

バードライフが主導する‘渡り性帆翔鳥(MSB)’プロジェクトが、鳥が観光業に与える価値を最大化するために役立つ情報を提供し、同時に鳥の個体群と生息地を確保するためのガイドブックを作りました。

2014年には世界の観光業はこれまでで最大の11億人という海外への観光客数を達成しました。これに数百万人の国内観光客(自国の旅行者)を加えれば、観光業は世界のGDPの9%以上に貢献していると推定され、その規模の大きさについて容易にご理解いただけるでしょう。

観光業と自然保護には共生的な関係があります。旅行ビジネスは目的地の自然環境の質と長期に亘る存続性に依存しています。このことは観光業にとってますます重要になって来ており、旅行ビジネスの側でもこの事実に一層の認識を持つようになりました。管理を上手くやれば観光業は特に発展途上国では革新的な役割を果たすことが出来る数少ない産業の一つです。それはコミュニティの団結と環境保全のための大きなインセンティブになることと共に、社会のあらゆる階層に経済発展の機会を与えることが出来ます。一方、管理が不十分な場合には、観光業はそれが依って立つ環境にダメージを与えかねません。

鳥や野生生物が観光業に大きな貢献をし、価値を与えることが出来ることには疑いはありません。CMS(移動性動物種の保全に関する条約: 通称‘ボン条約’)の事務局長代理のElizabeth Maruma Mremaによれば、「バードウォッチングは観光業において重要で成長する分野となっており、多くの国やコミュニティ、また発展途上国においても直接・間接の経済的利益を生み出しています。野生生物観察は多くの人々にアピールし、そこに参加する機会は観光客が‘今日の休日の選択’を行う上でますます重要な要因となって来ています。」1999年に、コスタリカ観光協会は同国の10億米ドルの観光収入のうちの41%は主としてバードウォッチング目的で同国を訪れた観光客によるものと推定したのです。

写真提供: Marcus Kohler

写真提供: Marcus Kohler

野鳥や野生生物は何処へ行っても旅行の経験を豊かなものにします。鳥や野生生物は、その時々の観察者に喜びを与えるのに加え、熱心なエコ・ツアー旅行者には強力なインセンティブとなり、また、毎日旅を続ける旅行者にはリゾート毎の違った印象をもたらします。MSB(渡り性帆翔鳥)ハンドブック「観光業のために鳥と野生生物の価値を最大化する」は正にそのことを示すものです。同ハンドブックはリフト渓谷/紅海地域の観光ビジネス、多くのホテルやツアー・オペレーターに、この重要なフライウェイを守るための活動を行いながら、渡り鳥からの利益を最大にする助言を提供するよう作成されたものです。

この双方向性のハンドブックはバードライフ本部のウェブサイトからダウンロードすることが出来ます。

 

原文はこちら

報告者: Julien.Jreissati

 

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