復活への道
ブルンジ共和国で2番目に大きな自然保護区キベラ国立公園には644種の植物、98種の哺乳動物そして200種以上の鳥類が生息しています。同国立公園はIBA(重要生息環境)の一つで、また、東部アフリカ山地KBA(Key Biodiversity Area: 生物多様性重要地域)です。
国立公園でありながら、1993年に起きたブルンジでの内戦により多くの人々がキベラ森林に避難所を求めました。難民と公園の周辺住民は木材の伐採と農業のための開墾によりキベラの生態系を損傷しました。現在でも森林伐採、密猟およびある種の農作業がこのエリアに脅威を与えています。
木材が注目されています
この地域の主要なエネルギー源として、木材が重要な商品です。貧困、人口増加、代替物の欠如により、多くの人が森林を燃料や木炭に変えてしまうため、森林の劣化と伐採につながっています。CEPF(クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金)による東部アフリカ山地ホットスポットへの投資の支援を受け、フランスのNGOのResilience Now(resilienceは回復力の意味)がキベラ国立公園周辺の脆弱な環境で自然資源管理活動を強化しました。
Resilience Nowは環境を守りながら地元コミュニティの生計に必要なものを満たす持続可能な農業、エネルギーおよび所得創造活動の開発のために公園の周辺コミュニティと共同で活動を行いました。このプロジェクトを通して彼らはCEPFの東部アフリカ山地ホットスポットに対する投資戦略の主目標の一つに貢献しました。それは‘戦略上の方針 1’と呼ばれるもので、生物多様性保全、地元の生計手段改善および優先的回廊地域における経済発展の共通の利益をもたらすために生物多様性を広義の開発政策、計画およびプロジェクトの主流に組み込むものです。
コミュニティにより特定された参加型活動計画の主要活動の一つが改良型の調理用コンロの生産でした。
改良型コンロは樹木と命を救う
WHO(世界保健機関)によれば、2012年に8人に一人が汚染による劣悪な空気により死亡しており、430万人は料理又は暖房の煙が原因です。ブルンジでは昔からの暖炉が多くの木材を消費するだけでなく、そこからの煙により呼吸器障害の原因になっています。
キベラ周辺で使われる改良型調理用コンロは粘土と白アリの巣の土で作られており、昔からの炉に比べて木材の使用量が3分の1で済みます。ですから、改良型コンロは森林資源への圧力を軽減し、環境保全に役立ち、コミュニティの生活の質を改善します。
次の段階
Resilience NowはCEPFの‘少額補助金プロジェクト’の実施期間中に様々なツールを利用しました。その中には問題の特定、解決策マッピング、‘生で’最良の実践例を見るための経験交換訪問などが含まれます。「コミュニティ・メンバーがこの交換訪問の間に他の団体から学び、学んだことを実践に移し始めたことに感銘を受けました。」とキベラへの訪問の後でバードライフの東部アフリカ山地地域実践チームの主導メンバーのJean-Paul Ntunganeは言いました。「彼らは今エネルギー節約コンロを作っており、もしもっと資金があればより多くのことが出来るでしょう。」
CEPFはこのアドバイスを受け入れ、キベラ国立公園周辺での活動を拡大するためにResilience Nowとの新契約の署名したところです。復活への長い道のりが少しだけ短くなりました!
報告者: クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金