北米で渡りの驚くべき不思議が解明された
数十年もの間、バーダーや科学者は秋の渡りの時期に北米の東海岸にズグロアメリカムシクイの姿が不思議にも見られなくなることに頭を悩ませていました。その理由として長い間、彼らは大西洋を越えて直接越冬地のカリブ海諸国や時には南米まで飛ぶのではないかと示唆されていました。衛星追跡装置が小型化されたお蔭でアメリカとカナダの調査チームが遂にこの謎を解明しました。体重12グラムしかないズグロアメリカムシクイは平均2,540km離れた南米北部の中継地や越冬地に向けて大西洋を越えてノンストップの飛行に乗り出すのです。このような驚くべき渡りが出来るのは渡りの前に体重をおよそ2倍にし、また有利な気象条件を利用しているからです。
このプロジェクトは以下の大学と団体のチームに主導されて行われました:マサチューセッツ大学アマースト校、ゲルフ大学(カナダ)、バーモント・エコ研究センター、スミソニアン渡り鳥センター、アケイディア大学(カナダ)、バード・スタディ・カナダ(カナダのバードライフ・パートナー)。
このような情報はズグロアメリカムシクイだけに止まらず、世界中の多数の種の保護活動にとっても大切です。色々な種が一年のうちの異なる時期に、地方や半球規模でどのように地形を利用しているのかということを理解することにより、私たちは保護活動にとって特に大切な場所を特定することが出来、また気候変動などの諸問題がどのように鳥の生存に影響を与えるのかということを理解する足掛かりになります。今回の話は特にほとんどの北米の鳥の保護にとって多国間での協力が必要であるとの印象を与えるものですが、同時にそれは北米だけでなく世界中の野鳥保護活動にも関係することなのです。
(報告者: マーチン・フォーリー)
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