野鳥保護のためのホットな競争

最も多くの種を記録するために競争するチーム
写真提供:(c) SPNI

野鳥保護の資金を捻出するためのホットな競争が行われたイスラエルで、世界で最も優れたバードウォッチャーたちが約24時間も隣り合って競い合いました。

3月25日、135人のバーダーが第2回‘フライウェイ競技チャンピオン’のために野外に出ました。これは私たちがこれまでに参加したことのあるイベントの中でも最も信じられないものの一つでした。全部でイスラエルと13の海外からのバーダーによる31チームが参加し、そのうち15チームが国際競技、16チームが国内競技に参加しました。このイベントの‘競技場’は広大でやり甲斐があるもので、南はエイラート、北はネゲブ高原に及びました。各チームはできるだけ多くの種を見ようとして計画と戦略に時間を費やし、しばしばチーム同士が鉢合わせをしました。

午前10時ごろに軍事活動のために危険とされているMeishar平原から送り帰されたチームもあるとの報告を受け始め、興奮がさらに高まりました。この地域は数十人のバーダーが走り回っても大丈夫だとされていましたが、駄目でした。警備員がここでの探鳥を拒否したのです。それでもバーダーたちは簡単にはあきらめず、車を止め、数分間観察を行い、すぐに移動するという‘ヒット・アンド・ラン’方法を取り続けたのです。

当日の午後、ほとんどのチームがエイラートの、最初は塩水プールに、次に北海岸に集まりました。各チームが海鳥を見つけリストに加えるために泥地に止めた車から走り出てくる様子は信じられないほどでした。その日の終わりごろには、自信たっぷりのチームや、計画どおりに行かず日が沈むまでに1時間しか残っておらず、ゲームがほぼ終了したことを知って砂地に座り込むチームもあり、とてもドラマチックな光景でした。午後7時にゴール・ラインが開かれ、各チームが徐々に審判員にチェックリストを手渡すために集まり始めました。真夜中直前にチェックリストを持ってきた何人かの確信的遅延者を除いては、ほぼすべてのチームが午後11時までにゴール・ラインに到着しました。

今年の‘国際フライウェイ・チャンピオン’の優勝者は‘ケープ・メイ・カワガラス野鳥観察所(ライカ)チーム’でした。彼らは何と168種を記録し、賞品として3台のスワロフスキー双眼鏡を獲得しました。彼らはその場でこれらの賞品をバードライフ・キプロス・チームに気前よく寄付したため、バードライフのチームは感嘆のあまり言葉も出ませんでした。双眼鏡はキプロスの子供たちに野鳥の価値を、銃身を通してではなく素晴らしい双眼鏡を通して教育するために利用される予定です。‘カワガラス・チーム’は素晴らしい結果を出しましたが、競技はかなり白熱したものだったと言わねばなりません。フィンランドの若いチーム‘コベニヒワ・チーム’(ツァイス社が後援)が167種を記録して僅かの差で2位、スペインの‘Reservoir birdsチーム’とフィンランドの‘オーロラ・チーム’が共に163種を記録して3位になりました。

‘国内(イスラエル)フライウェイ・チャンピオン’競技も同様に大接戦で、イスラエルのトップ・バーダーたちが引退した医者、陸軍将官および15人の子供と競争しました。今年の優勝はエルサレム野鳥観測所の‘JBO オリオールズ・チーム’が過去最高の179種を記録しました。彼らは5,000 NIS(イスラエルの通貨単位)を受け取りましたが、今後の保護活動に使う予定です。第2位には176種を記録した‘クロノビタキ・チーム’が、第3位には170種を記録した‘アジサシ・チーム’が入りました。

最も多くの種を記録した受賞チームとは別に、‘フライウェイの騎士’タイトルは競技前に貴重な情報を提供し、競技中も他のチームをサポートした‘次世代のバーダー・チーム’に贈られました。彼らも双眼鏡をもらい、これをバードライフのプロジェクトに寄贈します。‘フライウェイの守護者’賞はキプロスでの対罠猟キャンペーンのために集まった五万米ドルのうちの7,500ドルを集めた‘バードウォッチ/バードガイド・ロードランナー・チーム’が受賞しました。南アフリカの‘バーディング・エコツアー・チーム’と‘オランダの騎士・チーム’もそれぞれかなりの金額を集めました。

‘イスラエル自然保護協会’とバードライフが行ったこのプロジェクトは野鳥保護のための最有力な資金調達方法の一つとして世界中で話題になっています。その目的は今野鳥が直面している最大の脅威である密猟と違法罠猟に取り組むことです。今年のイベントは大成功でしたが、今年度の真のフライウェイ・チャンピオンはキプロスの野鳥であると皆が思っています。バードライフ・キプロスは同地での野鳥の密猟と違法罠猟を止めさせるための教育プログラムに使う35,000ドルの小切手を持ってイスラエルを離れました。これまでに総額で五万ドルを超える寄付が集まりましたが、募金は今も続いています。

(報告者:バードライフ・ヨーロッパ Jonatahn Meyrav – プロジェクト・コーディネーター)

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