コーカサス地方で‘野生’のシルクロードのルートを辿る

古代のシルクロードは一義的にはアジアとヨーロッパ間の通商路として有名ですが、同時に文化や歴史的伝承の重要な伝達回路でもありました。この多くの旅人が通ったルートは何世紀にも亘り中国からインドを経由して地中海に至る総延長6千キロメートルに沿って、貿易業者、商人、巡礼者、修道士、兵士、遊牧民、都市住民をつないで来ました。

今年、ASPB（アルメニア鳥類保護協会：　同国のバードライフ・パートナー）やグルジア、トルコ、ギリシャの団体のお蔭で、これまでと異なるシルクロード、ギリシャのテッサロニキから始まりアルメニアのメグリに至る全長3千キロの意欲的な観光道路BSSRC（黒海シルクロード回廊）が始まろうとしています。

BSSRC（黒海シルクロード回廊）プロジェクト

2012年、ASPBはアルメニアの首都エレバンの人間開発NGOのAMAPと同国の農村地域での観光業促進を共通の目標とするパートナーシップを築きました。このアイディアは時間の経過と共に大きくなりBSSRCプロジェクト、即ち、アルメニア、グルジア、トルコ、ギリシャの4ヶ国を古代のシルクロードのルートを辿るワクワクするような機会を提供する観光道路となりました。

この道路は旅行者に今までは容易には行くことが出来なかった昔の土地、広大に広がったスペース、荘厳な山々や湖を見る機会を与えるでしょう。旅行者は直接地元の生活様式に関わり、これまで知られておらず、訪れる人も居なかったこのシルクロード沿いの歴史、文化、自然を発見することが出来るでしょう。

BSSRCは地域コミュニティの開発、旅行者の経験の強化、文化財産と生物多様性の保全を通して地方の孤立化を緩和することが想定されていました。このプロジェクトの環境面での利益はこの地方の地域コミュニティの努力に由来するもので、彼らは環境ツーリズムからの利益を得るために地元の自然や文化的資源を守り、維持するために活動するでしょう。

ルート上で見ることが出来る興味深い鳥を含むアルメニアの自然の包括的説明を提供するウェブ・ポータル手引きと6つのスマホ・アプリも作成されました。それらは訪問すべき文化と自然のサイトや、最善の地元のゲストハウス、工芸品職人その他の重要なサービスなどの情報も旅行者に提供します。

ASPBのこのプロジェクトでの役割はアルメニア内のシルクロード沿いにある重要な自然のホットスポットを特定することでした。ASPBのIBA（重要生息環境）プログラムのコーディネーターLuba Balyanは「私たちはルート沿いで見ることが出来る鳥と野生生物の基礎的調査を行い、季節ごとの鳥や素晴らしい風景を写真に撮りました。」と説明しました。

「このプロジェクトは、地元の経済と環境の両方に利益をもたらしつつ、旅行者が素晴らしい自然と歴史的な場所を経験する完璧な機会なのです。」と彼女は話を結びました。

アルメニアでのBSSRCプロジェクトは、EUの共同作業プログラム（黒海流域2007-2013）と米国の国際開発局（アルメニア）による資金支援のお蔭で実現が可能になったのです。

報告者：バードライフ・ヨーロッパ

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