生態系の復元で希望を奮い起こそう

IUCN(国際自然保護連合)の‘世界自然保護区委員会 (WCPA)’は今年の‘ケントン・ミラー賞’の受賞者として、いずれもバードライフ・パートナーのブルーン・インドネシアとある時点で関係のあった3人のインドネシア人保護活動リーダーを選出しました。この名誉ある賞は自然保護と生態系保全に対する革新的なアプローチを認め助成するもので、バードライフの‘希望の森プログラム’の中核をなすものです。

Sukianto LusliとAgus Budi Utomo, および Yusup Cahyadinの3人の受賞者はインドネシアでの森林保全に対する革新的アプローチの開発と実施により称えられたのです。彼らのビジョン、誓約、アドヴォカシーおよびリーダーシップにより彼らは国の政策や生産的な森林管理の法律を変え、自然保護に貢献できるようにしたのです。

ブルーン・インドネシア(同国のバードライフ・パートナー)の元会長SukiantoはYusupと共にブルーン在籍時に‘生産林’の生態系復元を始めました。生産林はインドネシアの外貨獲得の2番目に大きな貢献者だったので、当初はこのイニシアティブが一般化するとは考えられていませんでした。

けれども彼らによる長期に亘るアドヴォカシー活動の結果、2004年に‘生態系復元免許(ERC)’に対する森林省の法律発布につながったのです。この法律により、インドネシアの非生産的な‘生産林’は今や保護のためのERCライセンスにより管理出来るようになりました。

最初のライセンスはブルーン・インドネシア、バードライフ・インターナショナルおよびRSPB(英国のパートナー)の合弁により設立された生態系復元企業PT REKIの提案により南部スマトラの低地にある53,000ヘクタールの‘生産林’に対して2007年に発行されました。その3年後、Agusがブルーン・インドネシアの会長の時に、PT REKIは近隣のJambi(スマトラ内)の5万ヘクタールの‘生産林’の新たなライセンスを受けました。これら二つの免許はHutan Harapan(インドネシア語で‘希望の森’の意味)として知られています。

ERC法が制定された後Agusは保護区外のインドネシアの森林の革新的な保全としてER(生態系復元)管理の実施を更に行うためにER法の強化を進めました。

この表彰のWCPA選別委員会は、Sukianto, Agus 及びYusupのリーダーシップと積極性の例が他の実践者もインドネシア内外で彼らの生態系復元モデルを再現することが可能になるレッスン、優れた実践および正しい環境を作り出したと考えています。彼らの始めた生態系復元モデルはインドネシア内の保護区ネットワークのギャップを埋めるイノベーションであると考えられています。ですから、彼らは生物多様性条約(CBD)の下におけるインドネシアの義務に沿って世界的な保護目標への貢献を助けたのです。

受賞者のYusup Cahyadin, Sukianto Lusli, および Agus Budi Utomoと左端の女性ナターシャ・ミラー

受賞者のYusup Cahyadin, Sukianto Lusli, および Agus Budi Utomoと左端の女性ナターシャ・ミラー

11月19日にSukianto および Yusupと共にオーストラリア・シドニーで開催された世界公園会議で受賞したAgusは「私たちは今回の受賞を将来の世代のために保護と持続可能な森林管理を進めるためにインドネシアに捧げます。」と言いました。

ブルーン・インドネシアの現会長は269万ヘクタールに相当する12のERライセンスを認めたインドネシア政府に感謝しました。また彼はこの活動に加わった世界各地のバードライフ・パートナーや資金提供者に賛意を述べました。

この3人のチームのイニシアティブはバードライフの森林に対する世界プログラムである‘希望の森’プロジェクトをアジアの他の国でも計画することを促すものです。

(報告者:ブルーン・インドネシア)

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