ナミビアが年に3万羽の海鳥を救うために前進

海鳥の混獲をなくすためにナミビアの漁船で使われている‘トリポール’
写真提供:J Paterson

バードライフの‘アホウドリ・タスクフォース’とのミーティングの後、ナミビアの漁業・海洋資源省は世界で最も破壊的な漁法から実質的に海鳥の死をなくす新しい漁業規制を導入しました。

これは2008年以来ナミビアの漁業・海洋資源省と共同で活動し、同国のメルルーサ(魚名)の延縄漁と底引き網漁が、合計すると世界最悪レベルの年間約3万羽の海鳥の死をもたらしていることを示した‘アホウドリ・タスクフォース(ATF)’にとって素晴らしいニュースです。

ATFはこれら二つの漁法でシンプルでコストの安い軽減方法を採用すれば海鳥の死を無視できる程度に減らすことが出来ることを実証したのです。

新漁業規制に備えて延縄漁の乗組員と共に混獲軽減対策のセット・アップを行うATFのインストラクターKondja Amutenya 写真提供:Sarah Yates (ATF)

新漁業規制に備えて延縄漁の乗組員と共に混獲軽減対策のセット・アップを行うATFのインストラクターKondja Amutenya
写真提供:Sarah Yates (ATF)

漁業での偶発的な混獲は多くの海鳥の脆弱な個体群にとって大きな脅威となっています。世界で毎年30万羽の海鳥が延縄漁と底引き網漁で殺されています。餌の付いた釣り針に掛かったり、ケーブルにぶつかって海中に引き込まれて死ぬのです。このうちの約10万羽が、22種中の15種が絶滅が危惧される科であるアホウドリ類です。

ATFはバードライフの海洋プログラムの一環で、世界中の混獲の‘ホットスポット’で産業界と協力して、ひとたび利用されれば速やかに海鳥の死を減らすことのできる混獲軽減措置を導入するための活動を行っています。

底引き網漁船団で用いられている、はためく吹き流しで海鳥を怖がらせて船から遠ざける ‘トリポール’と呼ばれる装置は、実質的に海鳥の混獲をなくす簡単な解決方法です。延縄漁の場合には、‘加重枝縄’と呼ばれる錘付きの釣り糸(餌を食べに来る鳥から釣り針を早く沈める)とトリポールを併用することにより混獲を95%減らせます。

漁業・海洋資源省により導入される新漁業規制は全ての底引き網漁船と延縄漁船に‘トリポール’の使用を求め、延縄漁船には更に改良型の加重枝縄の使用も要求するでしょう。このような新規制は2014年11月1日に発効となり、これら二つの漁法による脆弱な海鳥への影響を劇的に減少させるでしょう。

8月に行われたナミビアの漁業・海洋資源省とATFチームのミーティング 写真提供:ATF

8月に行われたナミビアの漁業・海洋資源省とATFチームのミーティング
写真提供:ATF

地元の水産会社によって行われるナミビアの水産業は提案された保護対策に協力的で、既に数社が自発的にトリポールを使用しています。新規制が行われることで、このシンプルな対策が漁船団全体で確実に採用されるようになるでしょう。ナミビアでは既に漁船団にかなりの高い率で監視員が乗船しており、これにより新漁業規制が守られているかどうかを容易に確認するでしょう。

これは自然保護団体、地元政府および関連する産業界が積極的に協力すれば、世界の生物多様性を維持し海洋環境への人類の影響を減らすためにいかに大きな貢献が出来るかという素晴らしい例です。

(報告者:ショーン・ハレル)

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