渡り性の種に関する会議に高まる期待

移動性野生動物の保全に関する条約(CMS)締結国会議は渡り性の動物とその生息地の保護
および持続可能な利用のための世界的なプラットフォームを提供します。
写真提供: ハクガン Ken Slade; flickr.com

鳥や動物には国境がないので、私たちはどのように渡り性の種の保護を行えば良いのでしょうか?

国連環境プログラムの主導下にある環境条約の一つとして、CMSは渡り性の動物とその生息地の保護および持続可能な利用のために世界的なプラットフォームを提供します。CMSは移動性動物が通過する国(Range States)を一堂に集め、種が渡る地域全体での国際的に協調の取れた保護対策のための法的基盤の整備を求めます。
バードライフのパートナーは2014年11月4日~9日にエクアドルのキトで開催されるCMSの第11回締結国会議(COP11)に参加します。
CMS COP11の議題は渡り鳥の保護に関してこれまでで最も重要でしょう。COP11ではフライウェイの保全にとって潜在的に重要な枠組みが初めて採択されることが期待されています。その中には渡り鳥への主な脅威と取り組むための対策実施を支えるために考えられた政府間ワーキング・グループとタスク・フォースが含まれています。渡り鳥の毒殺防止と世界的な‘毒殺防止ワーキング・グループ’の継続に関する国際的ガイドラインの採択を行う決議があります。
このガイドラインは殺虫剤、殺鼠剤、毒入り餌および鉛の銃弾と、少なくとも淡水域での鉛の釣り用錘りの完全な禁止要求がカバーされています。このワーキング・グループはバードライフのパートナーシップが希望している獣医用ジクロフェナクの完全な禁止を実現するための方法の一つでもあります。ジクロフェナクはアジアでハゲワシの壊滅的な減少を招き、今またヨーロッパで新たに認可されている薬品です。
バードライフが関心を寄せている2番目の主な決議は国際的なエネルギー・タスク・フォースの設立で、これは当初はアフリカ・ユーラシア間の渡り鳥
に的を絞るでしょう。これは以前に承認された電線に関するガイドラインと共に、COP11で採択が期待されている再生可能エネルギーに関する国際的ガイドラインの実施を支援するでしょう。
鳥の違法殺傷や捕獲、取引に関する汎地中海タスク・フォースを設立するための決議も討議される予定です。これは既存のバードライフ・パートナーによる多くのイニシアティブと結ばれてこれらを強化し、連動することを助けるでしょう。
最後にアフリカ・ユーラシア間の陸鳥のための行動計画を採択する決議にもチャンスがあります。これらの鳥に関する私たちの知識を考えると多分驚くと思いますが、何と現在彼らの減少と取り組む枠組みが何もないのです。
「陸鳥はヨーロッパで最も早い勢いで減少している鳥のグループなので、このギャップをなくすことが大切です。この行動計画の作成は画期的です。それはスイスの支援により、アフリカの国民の求めに応じるもので、彼らがその進展を行ったのです。」とRSPB(英国のパートナー)の‘国際種政策オフィサ
ー’のNicola Crockfordは言いました。
陸生渡り鳥の保護は、水鳥とはかなり異なる方法で、連結しているサイトが保全される広い範囲での活動により取り組むことが必要です。必要とされるのは渡り鳥にとっても地域の人々にとっても利益のある大きなスケールでの土地利用の決定に影響を与えることです。
これを実施する上で特に焦点になるのは、貧困の緩和、食糧と水の安全、砂漠化防止および気候変動緩和などと一体化してアフリカでの土地利用に影響
を与える努力でしょう。
「もし私たちがこのことを正しくやれるなら、それは鳥と人にとってウィン・ウィンのものになります。これら提案された枠組みは欧州連合による、地域内で渡り鳥を保護し、フ ライウェイに沿った他の場所での不利益な活動がこれらの努力が台無しにしないようにする活動を大いに支援するはずです。」とCrockfordは結びました。
(報告者: マーチン・フォーリー)
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