アゾレス諸島のオニミズナギドリのありのままの姿をご覧ください
誰もが一度は赤ちゃんが徐々に世界に目を開いて行くときに何を感じているだろうかと考えたことがあるでしょう。けれども、動物の場合はどうだろうかと考えた人は居るでしょうか?小さな雛鳥が巣から飛び立つ勇気をどのようにして持つのだろうかと自問したことがありますか?ポルトガルのバードライフ・パートナー(SPEA)による Lua de met no Corvo(‘コルボ島でのハネムーン’の意味) プロジェクトのお蔭で、それが分かる可能性があるのです。
このプロジェクトの鍵となるのは誰にでもアクセスできるインターネットによるライブ・ビデオで、アゾレス諸島のコルボ島でのオニミズナギドリの繁殖ペアが行う営巣から育雛までの様子を写したものです。アゾレス諸島には世界最大のオニミズナギドリの繁殖個体群が生息し、このイニシアティブはこの象徴的な鳥の保護に対するアゾレスの責任の認識を高めることが狙いです。
オニミズナギドリのペアがハネムーンを過ごし、雛を育てるのに世界で初めて同行するチャンスがあったのは2011年のことでした。悲しいことにこの時は雛が飼い猫に食べられてしまいました。この最初のペアの様子は70ヶ国27,000人の人たちによってフォローされました。今年私たちは7月に雛が孵化した新しいペアを追跡しており、前回の記録を破ることを期待しています。
今回の第2版の開始以来、このプロジェクトのウェブサイトには既にこのペアの雛が初めて羽ばたくところを見ようとする12,000人を超える熱心な人たちが訪れています。生まれてから最初の数日は雛は両親が守っていましたが、その後は餌を与える時だけに定期的に訪れるようになりました。間もなく雛はブラジルや南アフリカ沿岸への最初の渡りを行うために巣を離れ、そこで越冬し、6~7年後に最初の繁殖期を過ごすために島に戻って来ます。
‘コルボ島でのハネムーン’プロジェクトは、2009年以来SPEA、地域海洋事務局、コルボ島自然公園およびフロレス・コルボ島農業サービスなどの機関がEUのLIFE+の‘海鳥にとって安全な島’プログラムの一環としてアゾレス諸島の海鳥の保護を目的として行っている一連のプロジェクトのうちの一つです。‘海鳥にとって安全な島’は2013年に欧州委員会によりLIFE+プロジェクトのうちの最善のものの一つと認められました。その活動にはネコやネズミによる捕食の防止、沿岸部の生息地の回復、海鳥と彼らが直面する脅威への関心喚起が含まれています。
「生まれたばかりの雛は親が餌を探しに海に出ているほとんどの時間を巣に残されたままになるために、主として猫による捕食が頻繁に起きていることが分かっています。現在野良猫の増加を防ぐために飼い猫の避妊手術プログラムが行われています。」とコルボ島での活動に責任を持つSPEAのプロジェクト・アシスタントのTânia Pipaは言いました。
‘コルボ島でのハネムーン’プロジェクトはポルトガル電気通信会社、コルボ市議会およびアゾレス政府が支援を行っています。
(報告者:エロディー・カンタルーブ)
詳しくはこちら