ベチ小作農組合の地域に密着した森林管理が期待以上の成果を上げた
ベチ小作農組合はエチオピアの南部国民地域州(GPRDO)のシェカ地域のベカ区にあります。ベカ区には10,171人が居住し、その大半は徐々に縮小しているシェカ森林に生活の基盤を依存しています。‘人々の救済と開発のための神の組織(GPRDO: God for People Relief and Development Organization)’は2005年以来この地において地域に密着した森林管理システムを進める活動を行って来ました。2013年にGPRDOは同組織のプロジェクトを実行するためにクリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金(CEPF)からの助成金を受けて活動を拡大することが出来ました: ベチ小作農組合での森林開発と保全アプローチに焦点を当てた代替生計所得源拡大プロジェクトです。2013年12月にGPRDOはエチオピアでのCEPFのコーディネーターであるエチオピア野生生物・自然史協会(EWNHS)との間でCEPFの小額助成金合意書に署名を行いました。このプロジェクトは2014年11月まで行われる予定です。
換金作物、特にコーヒーがこの地域における経済的バックボーンになっていますが、多くの住民は生活の手段として樹木伐採にも依存しています。このプロジェクトの目的は代替所得源および残された原生林の保全策として材木以外の森林作物(NTFP)の生産を拡大することでした。このようなNTFPにはスパイス、コーヒー、アマランス、米など様々な作物があります。
対象となったコミュニティはプロジェクトの総費用の50%以上を負担し、中心的な役割を担います。コミュニティのメンバーは養蜂シェルターの建設資材の提供や、森林保全活動への参加などのボランティア活動をします。またコミュニティ・メンバーは地元自治体からの土地の提供が得られなかったり賃借することが出来ない場合に自らの土地を開発センター建設のために自発的に提供するなど期待以上の働きをしました。4つのコミュニティ森林保全グループ(CFPG)の開発センターが建設され、NTFP開発の中心として働き、また知識を他へ容易に伝えるデモンストレーション・サイトとしても機能しています。このスキームが非常に上手く行ったので地方自治体や他の政府機関も今ではセンターを農民に対する集中的・実験的教育を提供する方法として利用しています。
このプロジェクトが成功した理由はコミュニティや他の利害関係者を当初から参加させていたことによります。GPRDOは、コミュニティのメンバーが始めていた提案の立案段階やプロジェクトの立ち上げの初期の段階からコミュニティを参加させていました。GPRDOはまた定期的にワークショップやトレーニングを行うことによりメンバーが確実に参加し、最新情報を常に更新して対象コミュニティを取り込みました。このプロジェクトにはコミュニティの所有権という考えがあり、ひとたびコミュニティが自分たちの持っている資源の価値とそれを守ることの重要性に気が付けば、彼らは進んでプロジェクトに参加するだけでなく、自らプロセスをまわしていく準備が整うことを示しています。
報告者: Obaka Torto