気候変動への適応での生態系の役割が第1回国連環境会議で強化された

バードライフが手助けをした主要グループのフォーラムでの
‘適応を基盤とする生態系(EbA)集会’
写真提供:IISD

先週ケニアのナイロビで開催された国連環境計画(UNEP)の一部である第1回国連環境会議(UNEA)で、気候変動への適応において人々を助ける生物多様性と生態系サービスの役割が強化されました。6月23日~27日に開催されたこの会議には170ヶ国から1,300人を超える代表団と100人以上の環境大臣が参加しました。会議はケニア大統領ウフル・ケニヤッタにより公式に開会、閉会が行われ、国連事務総長の潘基文が臨席しました。

UNEAはUNEPの運営組織で、世界の環境政策策定の最高位のフォーラムです。これに先立って6月21~22日に市民社会団体に主要議題へ貢献する機会を与える第15回世界主要グループ・利害関係者フォーラムが行われました。

ウガンダとジンバブエが提案しバードライフ・インターナショナルが支援した‘適応を基盤とする生態系(EbA)’に関する決定がUNEAにより可決されましたが、これは各国に‘国の気候、生物多様性、開発計画に生態系適応を主要なアプローチとして統合する’ことを求めています。

ネーチャー・ケニア(ケニアのパートナー)の会長Paul Matiku博士は、この画期的な決定は政府が健康、安全、平和と同様に生態系を優先事項とすることを促すだろうと言いました。「生態系と生物多様性は気候変動への最低限の適応を助ける上での主要な役割を持っています。それらは国レベルでの開発を支え、情報を提供するはずです。基本的に新しい2015年以後の開発アジェンダは生物多様性を芯柱にしなければなりません。」

その他の重要な決定もUNEAの期間中に行われ、そこには野生生物の違法売買、化学物質と廃棄物問題、科学政策の仲介、海洋のプラスチック及びがれき類汚染問題などが含まれました。また現在‘ミレニアム開発目標’に代るものとして展開中の‘持続可能な開発目標’に関するハイレベルの討議が行われました。

違法な野生生物売買に関する決議は各国に‘既に他のフォーラムで定められている違法な野生生物取引と戦うという約束を果たすこと’を求めています。具体的には、政府機関の枠を超えた協力の推進、野生生物の需要と供給および‘ワシントン条約(CITES)で求められている卵を含む違法に売買された生きた野生生物のタイムリーで低コストでの原産国への返還への協力’との取り組みなどです。

「UNEPは革新的なものでした。」とバードライフ・アフリカの政策・助言コーディネーターのKen Mwatheは言いました。「けれども、これらの決議はそれぞれの国での具体的な活動に変換されなければなりません。これらの決議を可決した加盟国により示された誓約は環境と人々にとって利益のあるものに変わらなければならないのです。」

会議の期間中、ネーチャー・ケニアは‘環境正義’に関するサイド・イベントを欧州環境事務局と共同で開催しました。このイベントは世界で環境上の対立が起きている地域の地図を書く必要性を明らかにしました。ネーチャー・ケニアのSerah Mungutiはタナ・デルタでのケース・スタディにより、土地を含む自然資源への貪欲さがどのように対立、土地の権利はく奪、環境の劣化につながるかを示しました。彼女は持続可能な農業と土地管理の実践を結びつけた土地の利用計画と‘戦略的環境アセスメント’により対立にどのように取り組むことが出来るかを説明しました。

 

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