世界中のパートナーが集結
9月26日~28日に200人を超えるバードライフのファミリーが、2018年バードライフのパートナーシップ総会のためにベルギーのワロンに集まりました。5年に一度開催されるこの画期的なミーティングでは私たちの‘政府’を選出し、今後5年間の保全戦略の見直しを行います。
新たな10年が近づくに伴い、地球は重大な岐路にあります。自然は環境消失、気候変動、森林伐採などの人間活動由来の原因により崩壊しつつあります。私たち人間がもたらしたダメージを回復しようとするなら、今行動を起こさなければなりません。
「もし2030年まで待っていたら、手遅れになり、台無しになってしまいます。」とRSPB(英国のパートナー)の最高責任者Mike Clarkeは、地球を脅かす静かな危機や生物多様性の崩壊に対する私たちの役割について、バードライフ・パートナーに話をしました。
この話は9月下旬にベルギーのワランで討議された多くのテーマの一つで、200人を超えるバードライフのファミリーが2018年パートナーシップ総会に出席するためにベルギーのゴールデン・レイクスに集まりました。
5年ごとに開催されるこの画期的イベントは、117のバードライフ・パートナー全てが一つの屋根の下に集まり、次の5年間の保全戦略に合意する稀な機会です。Clarkeの警告が会場に響いたように、これまで以上に危ない状況にあるように思われました。
2018年パートナーシップ総会の目玉には、2013~2022年戦略に向けての進捗の見直し、IBA/KBA活動と共にいかに前進するかという討議、いかにより強固な財政の安定を確保し、特にメガ・ダイバーシティ国家におけるパートナーシップの能力を強化するかなどが検討されました。以下は主な結果です。
管理体制
共通の活動、成功事例、将来計画の考察に加え、バードライフ・パートナーシップは地域および国際レベルでの自身の“政府“を選出しました。前生物多様性会議の事務局長Braulio Ferreira de Souza Diasをグローバル・カウンシルの議長に選任したことを喜んで発表します。
ブラジル国籍のBraulioは以前、ブラジルの環境省で多くの注目すべき分野で活動し(現在も生物多様性政策には助言を継続している)、この役割に広範な専門知識と経験をもたらします。彼は2012年2月~2017年2月まで国連CBD(生物多様性条約)の事務局長を務め、また現在はブラジリア大学の生態学部の准教授でもあります。
「グローバル・カウンシルの議長に就任するにあたり、バードライフ・パートナーからいただいた支持を光栄に思う次第です。バードライフが世界117のパートナーと地に足のついた形で行っている独特のアプローチは、私たちが一緒に活動すれば地域および世界レベルで大きな影響をもたらすことが出来ることを示し、それは私が高く評価する資産でもあります。」とBraulioは就任の挨拶で述べました。
「特に2020年の北京で承認される予定の、自然のための新たな取り決めによる世界の自然保護の議題の変化を考慮すれば、私はパートナーシップをかつてないほど強力にして、バードライフ・パートナーが成長し続けるための役に立ちたい。」
パートナーシップは、Nick Prenticeを財務部長に再任、また各地域の代表を再任または新任しました。
「アフリカ地区の仲間からの信頼には心から感動し、バードライフのグローバル評議会の一員を務めることを誇りに思います。」とAAO/BirdLifeチュニジアの会長Caludia Feltrup-Azafzafは選任された後に述べました。
ポスト2020生物多様性アジェンダ
バードライフは変化に対する社会的要求を促進し、政府に直ちに行動を取るよう圧力をかけるよう人の心を動かす取り組みをします。その一環として、私たちのアプローチを形にするために事務局と共同で活動するパートナーの「タスク・チーム」が設立される予定です。
絶滅の防止
フォレスト&バード(ニュージーランドのパートナー)は、バードライフの評議会に対し、RSPBが主導し大成功を収めたバードライフのマリーン・プログラムと類似したアプローチである、外来種プログラムをまとめる提案の準備をしています。バードライフは優先順位が増大しているインドの鳥とアフリカのオウムを含む野鳥売買について活動を行い、種に焦点を置くべきことが合意されました。
IBA/KBA
一つのパートナーシップとして共に前進するにあたり、私たちは長期にわたり続いているIBA(鳥を指標とする重要生息環境)の進化形であるKBA(生物多様性重要地域)を積極的に利用します。KBAが自然にとって最も重要なサイトに対する世界基準になるからです。今後数年以内にドローンやモバイル・アプリなどの新技術が、IBAのモニタリングなどでより大きな働きをするでしょう。
フライウェイ
インドとカザフスタンのパートナーは、様々なパートナーとの連携による保護活動を中央アジア・フライウェイ全域で協力していく道を探ります。バードライフはポスト2020アジェンダにおける渡り鳥の保護目標を支持します。
森林
焦点が主要サイトから全ての森林性IBAに拡張されたことに伴い、名称が「希望の森」から分かりやすい「森林プログラム」に変わりました。これは、より多くのパートナーのプログラムへの参加の道を開く動きです。
海洋
海に流出したプラスチック廃棄物に対する世界的な懸念を認識して、私たちがこの重要な問題への活動を強化しようとしていることから、パートナーシップはフォレスト&バードが引き受ける調整役の探究を支援します。
能力開発
バードライフ・パートナーの関与と資金調達の機会としてのエコツーリズムへの注目を向ける。
そして最後に・・・
次回のパートナーシップ総会は、バードライフ・インターナショナル創立100周年を祝して2022年を予定しています。
報告者:Patricia Zurita, CEO, BirdLife International