住民の生計と自然保護のためにベトナム中部でラタンヤシの植林

森に植えるためにトラックの荷台から降ろされるラタンヤシの苗木

過去2年間に亘り、トヨタ自動車とナンド・ペレッティ基金の支援によるバードライフ・インターナショナルの‘地元強化プログラム’の下に、ベトナムの森林保護区周辺の緩衝地帯にあるコミュニティでは価値の高い野生のラタンヤシの植林を行って来ました。これは持続可能な生計手段のための資源を提供すると共に、森林の生物多様性を保全する助けになるでしょう。

ベトナム中部の低地森林は何年にも亘る戦争により荒廃し、その後の人口増加と経済開発の進展を支えるために乱開発されました。現在残っている大半は細分化され劣化した森林です。自然資源は開発や農地および農園への転換、不法伐採や密猟により急速に枯渇しつつあります。

一方、ベトナム中部は同国の最貧地域のままです。地域コミュニティ(特に原住民の)は耕作地を欠くことが多く、森林からの自然資源に依存しています。

ベトナム中部の‘アンナン低地固有鳥類エリア’はバードライフ・インターナショナルのベトナム・プログラムにとって焦点の一つです。あらゆる固有種が低地森林で観察されます。

2012年1月からバードライフのベトナム・プログラム、ベトナム自然保護センター(ベト・ネーチャー)およびクアンチ省森林保護局が共同でベトナムで初めての森林保護、持続可能な自然資源管理および利益共有のモデルを導入しました。ベトナムでの森林保護の新しいモデルの一部として、これはアンナン低地森林EBA(固有鳥類エリア)に生息地が限られている絶滅危惧ⅠA類のコサンケイが生き残るための最善の機会を提供するでしょう。

森林保護契約の下に地域コミュニティ、コミュニティの団体および各世帯が10年間(延長も可)一定の森林エリアの保護と管理を行う契約を結び、その対価が彼らに支払われます。彼らは森林保護局との契約に従い森林資源を利用することが出来ます。

このスキームは参加者個々に割り当てられた森林の10年間の管理義務を与え、それにより中期の計画を立て、取引費用を軽減することで信頼感を与えます。そのための対価は、参加世帯がラタンヤシの植林に投資が出来るように全額前払いで支払われます。契約に含まれているモニタリングは地方森林保護局によって行われます。

ラタンヤシは植林してから4~5年後に収穫が出来、その後何年も参加世帯に長期の安定的所得を与えます。家具製作や工芸品用としてのラタンヤシ材料への需要は巨大です。他の季節性作物と異なり、ラタンヤシは‘普通預金’のように必要な時にいつでも収穫が出来ます。

現在クアンチ省にはおよそ20万ヘクタールの森林があり、そのうちの30%が保護区内にあります。残りの森林はラタンヤシをベースにした仕事や所得および森林管理責務の強化に大きな可能性を提供します。

このプロジェクトは地域コミュニティと地域当局の双方から熱烈な支援を得ています。バードライフとベト・ネーチャーはこのスキームをクアンチ省の他の場所や近隣の省に広げて行うための資金を求めています。

(報告者:マーチン・フォーリー)

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