スパイの疑いを掛けられたコウノトリがエジプトで拘束された

問題のコウノトリ‘メネス’  

8月31日、怪我をしたシュバシコウがエジプトのケナの近くで市民により捕えられ、この鳥が運んでいた怪しげな機器がスパイ道具と思われて警察に持ち込まれました。

MME(ハンガリーのバードライフ・パートナー)がエジプトの地元パートナーのエジプト自然保護協会に問い合わせた結果、このコウノトリはハンガリーで生まれ足環を装着された個体であることが明らかになりました。‘怪しげな’機器は実際にはGPS追跡装置で、‘国境のない鳥’プログラムの一環として渡り鳥のルート情報を集めるためにMMEの会員が装着したものでした。

一方、エジプト当局はコウノトリと追跡装置の両方を調べ、同国の安全に対する脅威はないものと考えています。

エジプト動物園・野生生物保護担当次官のFatma Tammam博士によれば、捕獲されたコウノトリはケナの獣医当局の保護下にあり、ケナの検察当局の放鳥決定を待っているとのことです。Tammam博士はエジプト環境庁(EEAA)の自然保護局やエジプト自然保護協会(NCE)と共にコウノトリの放鳥を見守っています。

‘メネス’と名付けられたこのコウノトリはハンガリーのSzécsényの近くで4羽の兄弟と一緒に生まれ、7月1日に全員に足環が装着されました。彼らの母親も足環が付けられていたので彼女の生涯は良く知られています。彼女は2009年生まれで、2013年に初めて産卵しました。‘メネス’には8月上旬にGPS追跡装置が装着されました。不幸にも兄弟の一羽Pöstyénは渡りの旅を始めた直後にルーマニア南部で感電死しました。

人工衛星追跡装置は‘メネス’の選んだルートを正確に示します。

‘メネス’は8月中旬まで生まれた場所の近くに留まり、その後小さな群れと一緒にHortobágyに向かいました。暫くこの地域を回った後、群は8月18日にハンガリーを離れルーマニアへ向かいました。翌日‘メネス’はカルパチア山脈を越え、一晩ドナウ川の付近で過ごした後ブルガリア国境を越えました。8月22日にトルコに到着しましたが、そのルートは通常のボスポラスではなくマルマラ海を飛び越えるルートが選ばれ、8月26日にシリアに着いてダマスカスに近いアレッポで一晩過ごしました。更にヨルダン国境を超えるルートを選び、29日にイスラエルに入りました。翌日紅海を越えてナイル川渓谷に到着しました。この時点で彼は2週間以内に3,700キロ飛んでいました。この時彼は捕えられ、GPS追跡装置は2日間信号を送るのを止めました。

 

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