鳥の楽園クリスマス島を救出

シロハラグンカンドリは大規模な生息地破壊から救われます。 写真提供: © Chris Surman

世界中の支持を得たバードライフ・オーストラリアの根気強いキャンペーンの結果、オーストラリア政府はインド洋の重要な野生生物の安息地クリスマス島でのリン酸採掘の申請を退けることにしました。

季節外れではありますが・・・これは今までのクリスマスプレゼントの中で最高の贈り物になりました。

先週オーストラリアの連邦環境大臣Josh Frydenbergは、インド洋の隔絶したオーストラリア領クリスマス島でのリン鉱山の拡張申請を却下する決定をくだしました。バードライフ・オーストラリアは、島の今以上に多くの原生熱帯雨林を破壊する採掘作業を阻止するため熱心にキャンペーンを続けており、多くの支援者が重要な役割を担いました。

オーストラリアだけではなく世界中から56,000人を超える人々が、同島とそこで暮らす比類のない鳥類を救うため、政府に対してこれ以上クリスマス島の熱帯雨林に侵入して採掘を行うことをやめるように求めるバードライフ・オーストラリアの請願書に署名をするために結集しました。

この請願書は年初に大臣に届けられていましたが、ついに政府が聞き入れたのです。このたくさんの署名はこの問題に対する人々の関心の高さを示すもので、Frydenberg大臣がとても稀な環境のためになる大臣勅令を出す決断を促す上で、大きな役割を果たしました。

彼は申請却下の理由を「採掘拡張は環境法で守られている事物に対して、重大で容認できない影響を与える可能性がある」としています。

クリスマス島の原生熱帯雨林は、世界に最後に残ったモモグロカツオドリ(絶滅危惧ⅠB類)の繁殖コロニーがあり、シロハラグンカンドリ(絶滅危惧ⅠA類)の営巣地でもあります。また、クリスマス島固有の7種の藪に生息する鳥(そのうち4種は絶滅危惧種)と多くの素晴らしい野生生物もここに生息しています。

クリスマス島がこのように重要な場所であることから同島はオーストラリアの自然のホットスポット、主要生物多様性地域(KBA)の一つに指定されましたが、島の生物多様性への脅威が続くことから同国の「危機にあるKBA」の一つと宣言されました。

クリスマス島の熱帯雨林の保全は考える必要のないことのように思えますが、実際には島と島の比類のない野生生物の存続はたった一人の大臣の決断に掛かっており、疑う余地のないものとは言えませんでした。採掘をやめたことは大臣勅令に過ぎないということが、オーストラリアの環境法の下で自然がいかにどうなるかわからない状況にあるかを示しています。これらは解決しなければならない問題です。

なお、クリスマス島の野生生物は現在も多くの脅威に直面しており、私たちはそれらをなくすために活動を続けなければなりません。皆様のご支援により、私たちはクリスマス島を「危機にあるKBA」のリストから除外するよう活動を実施します。

 

報告者:John Peter, BirdLife Australia

 

危機にある野生生物は他にも!
バードライフ東京ではインドネシアの豊かな森を守る活動も行っています。詳しくはこちら
スマトラトラ@Brian Mckay www.flickr.com
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