健全な自然環境を人類の権利にするためのキャンペーン開始

写真提供:© Pexels

アースデイ(地球の日)の50周年を記念し、バードライフは世界人権宣言に新しい条項「健全な自然環境のための権利」、を加えるために大胆な新しいキャンペーンを始めました。この追加条項がなぜこれほど重要かを知ると同時に、国連事務総長への私たちの書状をお読み下さい。

4月22日、バードライフは、「アースデイ」(地球の日・4月22日)の50周年を記念して、António Guterres国連事務総長に対し、国連が大胆で前例のない一歩を踏み出すことを求める書状を送りました。それは、健全な自然環境を基本的人権の一つと宣言することです。

この書状は、コロナウイルスのパンデミックへの対応の一環として、国連に対し「世界人権宣言」に第31条を加えることを求めています。即ち、公共政策により保証され、持続可能性、科学、伝統的な先住民の知識により制御された健全な自然環境を、普遍的な権利として明記することです。

世界人権宣言は第2次世界大戦の灰の中から生まれ、初めて世界的に守るべき基本的人権を叙述しました。30条からなる宣言は、拷問、奴隷制、教育などの条項をカバーしていますが、人と全ての生物が依存している環境保全については何も触れていません。もしこの改定が成功すれば、この画期的文書が1948年に宣言されて以降初めてのことです。

バードライフのCEO Patricia Zuritaは、「COVID-19(新型コロナウイルス)は、第2次世界大戦以来最大の世界的な危機です。パンデミックは壊滅的ですが同時に世界のリーダーにとって、実際には義務ではありますが、私たちの福祉と将来世代を更に守るために社会を変えるチャンスなのです」と話します。「地球の健康は私たちの健康です。人類は生存と精神的な健全さを自然に委ねているのですが、私たちの活動が地球の自然のバランスを損ねているのです」。

私たちは気候と生物多様性、両方の危機にとりつかれており、これが百万種以上の種を絶滅の危機にさらし、人の健康にも悪影響を与えています。現在のパンデミックの根源は環境の喪失と野生生物の違法な取引にあります。そして気候と生物多様性の危機と共に、COVID-19は人類が再び大胆かつ決断力をもって、直ちに活動を共にする必要性と可能性を強調するものです。

「過去にも健全な環境への権利を追加するための活動がありました。私たちはこのパンデミックの深刻さが、国連と世界中の人々が団結して自然を回復させ、将来も同様の危機から自分達を守るための強力なモーニングコールとなることを期待しています」とバードライフの科学・政策ディレクターのMelanie Heathは述べています。

「第31条は世界と次世代への贈り物になるでしょう。そのためのマニフェストを始めるのに 「地球の日」は最適です。一部のリーダーたちは、コロナウイルスの危機から学ぶのではなく、皮肉なことに環境保全を後退させるための言い訳に利用しています。健全な自然環境を神聖な人権の一つとして、正式に記すことは今後数世紀にわたり人類に利益をもたらす成果になり、また、国連持続可能な開発目標を達成するための唯一の道です」とSEO/BirdLife(スペインのパートナー)のCEOのAsunción Ruizは言いました。

バードライフからの書状は、第31条の健全な自然環境への権利を2020年9月の国連総会の生物多様性サミットの議題に加える事を緊急に求めています。その承認の最終目標は2023年12月で、総会による世界宣言採択の75周年を記念するものです。

書状は、「国連生物多様性の10年」の最後に、気候と自然政策改善のための広義の後押しの一部をなすもので、世界中の人々へ支援を広く呼びかけるものです。私たちが福祉を守り、生存を続け、地球を救おうとしているのなら、健全な自然環境への権利を加えること、それは私たち皆が支援するべき任務です。

請願書に署名をお願いします: www.birdlife.org/healthyplanet

 

報告者:バードライフ・インターナショナル

 

 

 

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