私達と自然の障壁を克服する理由

人工的な景観が拡がるのに伴い野生動物は適応に苦労している 写真提供: © Christopher Bandini / Shutterstock

窓ガラスに衝突する鳥は、人間の自然への侵害の困った証です。しかし、私たちが自然界の間に設けた障壁はより大きな問題の一部です。

鳥が、鳥の目には見えない窓ガラスにぶつかって地面に横たわっている光景・・・それは嫌になるほどよくみる光景です。窓ガラスの鳥への影響は、毎日の生活の中で私たちがよくみる光景ですが、それは人間の自然への侵害の一例です。あまり目に見えませんが、人間による開発は私たちが皆知っておかねばならないさらに大きな問題をひき起こしています。これに気付かなければ私たちはこれらの脅威と戦うことはできません。

人間が自然に対してマイナスの影響を与えている最大の要因の一つが、生息地の消失によるものです。バードライフの最新の研究「世界の鳥の現状2018年版」は、現在8種に1種の鳥が絶滅の危機にあり、最大の脅威は自然環境を食い荒らす農業です。農耕地は現在地表の3分の1以上を占めており、世界的絶滅危惧種の鳥の74%に影響を及ぼしています。

心配なことに、かつては広範囲に生息していた普通種の鳥さえも、劇的な個体数の減少が始まっています。コキジバトは、以前は欧州、中央アジアや中東ではサハラ砂漠以南のアフリカから渡ってくるよく知られた渡り鳥でした。しかし、生息地の消失により本種は、特に西ヨーロッパなどの分布域で減少しており、最近絶滅危惧Ⅱ類に分類されました。

欧州での農耕地の集約化によりコキジバトの森林生息地が縮小している。
写真提供: © Yuvalr

しかし、農業による問題は単に自然環境を破壊するだけではありません。タゲリなどの鳥は何世紀にもわたり農耕地で大いに繁栄していました。大きな問題は、作物を大きく成長させるために殺虫剤と人工肥料を使って行う栽培や、さもなければ1種だけの作物を栽培する不毛な単一栽培を行う農業の集約化です。米国における最新の研究によれば、渡り性のミヤマシトドが殺虫剤の1種ネオニコチノイドに晒されて体重と体脂肪の4分の1を失っていたことが分かりました。

約3分の2の種が森林で生息していることから、森林伐採が鳥に対する第2番目の脅威であることは驚きではありません。これらの種の多くは、森林の外では生息できず、残された残存森林の間を飛ぶこともできません。

例えばボリビアでは、コンゴウインコの一種はかつてペットのための違法取引により危惧されていましたが、今は牛の放牧の場所を作るために森林を燃やす牧場主により住処を追われています。マダガスカルでは、自給自足農業のための焼き畑による森林破壊が現在絶滅危惧Ⅱ類のマダガスカルメンフクロウを危うくしています。

東南アジアの一部では実際に原生林はほとんど残されておらず、近い将来多くの森林が2度目あるいは3度目の伐採に会うことでしょう。

コンゴウインコの一種の生息地は家畜の放牧場を作るために燃やされている
写真提供: © Marvin Hyett

そしてこれは、鳥の絶滅についての新しい懸念すべき傾向の原因になっています。過去数世紀は鳥の絶滅の大半は島嶼で起きていました。特に過度の狩猟や外来種の脅威が原因でした。ところが現在、生息地の消失を主因とする大陸全域にわたる絶滅の新しい波の増大が起きています。実際に2000年には、大陸で起きた絶滅の数が初めて島嶼での絶滅を上回りました。

私たちはこの傾向を逆転させるべく懸命に活動しています。世界中で私たちは農家が彼らの土地へ野生生物が戻って来るのを歓迎し、農場が遠い将来にわたっても生計を支え続けることが出来るような支援をしています。私たちは2050年までに1兆本の木を植え、保護し、復元するという野心的な「1兆本の木」プロジェクトにも参加しています。

しかし、間違いなく同くらい重要な私たちの任務は、人間が自然に対して行う重要な役割についての認識を変えることでしょう。ですから、鳥が窓にぶつかってほしくないと願う一方で、より大きな課題はそもそも窓をそのような場所に作らないようにすることです。

報告者:Jessica Law

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