欧州アートから紐解く~オウム取引の歴史

「East Indian Market Stall in Batavia」-17世紀に無名の画家により描かれた

オウムは大変人気のあるペットなので、捕獲により多くの種が野生絶滅の危機に追いやられました。しかしこれは最近起こった現象ではありません。人類文化における彼らの役割は、数千年にわたり染み込んでいます。アートの中のオウムが世界の交易ルートの歴史について何を伝えているのか調べてみます。

 

数千年にわたりオウム達は人類文化において、友達あるいは好奇心や富の象徴として重要な役割を果たしてきました。実際にこの素晴らしい鳥を手元に置きたいという私たちの貪欲な興味が、多くの種を野生絶滅の深刻な危機に追いやる世界的な商取引を助長しました。熱帯地域では、オウムは16世紀の初めに「オウムの国」と呼ばれたブラジルなどの国々の虚勢、色彩、騒音の全てを象徴しているように見えます。

オウム科に属する種は多く、バードライフの「世界の鳥のハンドブック」では399種の現存種や、巨大なコンゴウインコ類から小型のケラインコ類まで幅広い種が掲載されています。オウム科オウム属には、オーストラリアとメラネシアの大型のオウムや小型のインコなど12種の美しい白いオウム類が含まれています。多くが数千年もの間取引されていました。実際に最近発見された13世紀のヴァチカンの手書き文書に描かれたオウムが、欧州の貿易ルートに対する私たちの見方を革命的に変えました。種によっては生息地の消失と捕獲の両方が彼らの絶滅危険度を高めました。その中の絶滅危惧Ⅱ類のオオバタンは絵画にも描かれていて、長年にわたる取引の存在が明らかになりました。元々はインドネシア東部に広く分布していた本種は、今ではセラム島のみに生息し、同島内のマヌセラ国立公園では普通に見られます。

オオバタンの初期の絵画の研究でStewart Metzは、上掲の絵画にRoelandt Savery, Johann Walter, Melchior d’Hondecoeter およびWillem van Royenなどの画家の作品を含めました。彼らは皆ほぼ同時期に活動していました。その一つ、17世紀に無名の画家により描かれた「East Indian Market Stall in Batavia」は、以前はオランダの画家Albert Eckhout (1610-1665)の作とされていました。彼は熱帯の光景の油絵で有名でした。バタビアはオランダの東インド会社の貿易の中心地で、現在のインドネシアの首都ジャカルタです。絵に描かれている中国人商人がランブータン、マンゴスチン、ドリアン、コプラ(乾燥ココナッツ)、マンゴー、グレープフルーツ、パイナップル、バナナなどの果物を買っています。絵の中には枝に止まったオオバタンがそれを見下ろしていますが、ペット、あるいは売られていたのかもしれません。

「果物と2羽のコンゴウインコ、1羽のオウムとカケス」ヤコブ・ボグダニー作

特にオウムはヤコブ・ボグダニー(1658-1724)の絵にもよく出てきます。彼はスロバキア人で1684年にアムステルダムに移住し、次に1688年にロンドンに引っ越して英国国籍を取得した人気のある鳥の画家でした。ジョナサン・エルフィックが彼の著書「Birds」に「鳥類学の芸術としてボグダニーはメアリー女王の宮廷で賞賛されました。当時、種は別々に描かれたものでしたが、ボグダニーの絵では度々一緒に描かれており、鳥の分布について知っている人にはこれは奇妙に思えました。」と記しています。ボグダニーの絵にはクジャク、オウム、キジ、シジュウカラ、オリオール(ムクドリモドキ)、カケス、タゲリその他の鳥が一緒に描かれています。このように生物地理学的に奇妙であっても、これらの絵は鳥がいつ欧州に来たか、またこれらのオウム取引の歴史について我々に想像させます。

 

報告者:John Fanshawe

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密猟された鳥たちを救う活動をしています
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