世界で最も希少な鳥のフォト・コンテストの受賞者と写真集の発表
‘世界で最も希少な鳥’プロジェクトの第2回国際フォト・コンテストの受賞者が発表になりました。このコンテストは地球上で最も絶滅が危惧される鳥の写真を確保して新しい本を作り、彼らの窮状を明らかにすることが目標です。今日プリンストン・ワイルド・ガイド社から出版された‘世界で最も希少な鳥’はバードライフの‘絶滅阻止プログラム’を支援することを目的としています。
今回は2010年に続くこの本の写真を集めるために行われた2回目の国際フォト・コンテストです。世界中の写真家から数千枚の作品が集まり、その中から800枚以上の写真が‘世界で最も希少な鳥’に掲載されています。
‘世界で最も希少な鳥’フォト・コンテストには二つのカテゴリー、絶滅危惧ⅠA類と同ⅠB類の鳥があり、それぞれのカテゴリーの受賞作品は以下のとおりです。
カテゴリー1: 絶滅危惧ⅠA類(絶滅が差し迫っていると考えられる197種)
優勝作品: Dubi Shapiro作: ペルーのアンデス高地からのディスプレーをしているシロハラカワカマドドリの素晴らしい写真
次点: Murray Cooper作: エクアドル北西部からのムナグロワタアシハチドリ♂の美しい写真
第3位: Dubi Shapiro作: マダガスカル固有の中型の潜水ガモ マダガスカルメジロガモの素晴らしい写真
第4位: Maxim Koshkin作: 中央アジアで繁殖し主としてアフリカで越冬する渡り鳥マミジロゲリの群の印象的な
カテゴリー2: 絶滅危惧ⅠB類(遠からず絶滅する危険性が非常に高いと考えられる389種)
優勝作品: Tim Laman作: フランス領ポリネシアのNuku Hiva島のマルケサスコブバトの美しい作品
次点: David Stowe作: オーストラリアのオトメインコの可愛い写真
第3位: Myron Tay作: 東南アジアのマレーヒレアシの素晴らしい写真
第4位: Greg & Yvonne Dean作: エクアドルのエルオロウロコインコの素晴らしい写真
‘世界で最も希少な鳥’の編集者Erik Hirschfeldは言いました。「このプロジェクトのために写真を送ってくださったすべての撮影者の皆様にお礼を申し上げます。素晴らしい作品がこれほどたくさん集まったので私たちはこれまでにない最も危惧される鳥の最も完全な写真集を発表することが出来ました。」
「この本で取り上げている590種の鳥の中から515種の写真を集めることが出来ました。これは現在‘野生絶滅’、‘絶滅危惧ⅠA類’、絶滅危惧ⅠB類‘のいずれかに分類されている種の何と87%にも相当します。このコンテストのために様々な賞品を提供して下さることでプロジェクトを支援いただいたプリンストン大学プレス、ワイルド・ガイド社、Lynx Edicions社とバードライフ・インターナショナルに感謝を申し上げます。このような支援がより多くの人たちにこの重要なプロジェクトのための写真を提出するよう後押ししてくれたものと確信しています。」
出版社ワイルド・ガイド社の社長で共同編集者のアンディ・スウォッシュは「‘世界で最も希少な鳥’の制作に当たり、私たちはバードライフ共同でと緊密な作業が出来たことを喜んでいます。この本は疑いもなく見事で美しい写真集です。しかしここに込められている重要なメッセージは心が痛むものです。写真集に収められたいずれの種も含めて世界の鳥の大部分が絶滅の危機にあるのです。これは多くの人にとって大きな懸念であり、私は‘世界で最も希少な鳥’の制作が人々の関心を高める助けとなり、幾らかでも野鳥保護に貢献してくれることを望むばかりです。」と言いました。
2012年度コンテストには数百もの素晴らしい写真の応募があり、優秀作品を選ぶのは大変困難でした。審査員の一人プロの野鳥写真家デービッド・ティップリングは「‘世界で最も希少な鳥’に掲載されている種の希少性にもかかわらず、応募作品の写真としての質は驚くほど高いものでした。このような方法により撮影者が作品を発表することを認めることで野鳥保護という重要な目的への支援を促すというアイディアには大賛成です。」と言いました。
バードライフのコミュニケーション部門のヘッドのエイド・ロングは言いました。「‘世界で最も希少な鳥’フォト・コンテストへの反響は驚くほどでした。応募数は驚くほど多数に上り、写真の質は息を呑むほどでした。これは素晴らしい本ですが、同時に絶滅の淵にいる多くの種(その多くがとても美しい)を強く思い起こさせるものでもあります。本の中には写真だけでなく、バードライフによる世界約1万種の鳥すべてのデータから作られた地図と情報が収められています。」