鳥が気候変動を乗り切るのには手助けが必要

コベニサンショウクイはアジアで想定されている気候変動のシナリオで危機に陥る種のひとつ
写真提供:Andy & Gill Swash; worldwildlifeimages.com

バードライフ・インターナショナルとダラム大学が最近行った研究によれば、アジアの鳥は気候変動に適応するために助けを必要とするようです。この研究は、多くの鳥が将来の気候変動の影響を受ける可能性が高く、重要なサイトの保全強化、より広範囲な田園地帯の管理向上、そして極端なケースでは彼らの生き残りを助けるために気候の適した地域への引越しが必要になることを示しています。

優先するべきことは、現在も重要な種が生息しており、将来分布域を移さざるを得ない鳥のための新しい生息地となりうる重要サイトのネットワークをより強力に保全し効率的に管理することであると研究者は言っています。

Global Change Biology(地球変化生物学)誌に掲載されたこの研究は、東部ヒマラヤとメコン川下流域に生息している保護を必要とする370種のアジアの鳥のIBA(重要生息環境)における将来起こりうる適切な気候の分布を調べたものです。

この研究結果は、気候変動がどのように全世界での鳥の生態と保護政策に影響を与えるかを示しています。研究者は、保護サイトの管理方法に合わせ、また種に適した地域への移動を助けることが将来の保護活動では重要になるだろうと言っています。

当面は絶滅の心配はありませんが、インドクジャクも将来の気候変動に適応するための手助けが必要になるでしょう。
写真提供:Andy & Gill Swash; worldwildlifeimages.com

予測では研究対象の370種の少なくとも45%、おそらくは88%までが適切な気候下においても減少し、その結果、個々のサイトでの種の構成が変化することを示しています。

この研究では将来の気候変動に対するそれぞれの種の対応をほぼ500通りも考え、気候変動予測は不確実なものであるにもかかわらず、これらの変化が鳥の世界で起こりうる可能性が非常に大きいということを初めて示しました。しかし、全体としてはサイトのネットワークは今後もすべての種にとって適した気候を維持すると思われ、現在行われている保護活動は状況に合わせて変化させるとしても強化されるべきなのです。

ダラム大学在籍時に分析を行った共同筆頭著者のスイス連邦技術研究所の主任研究員Robert Bagchi博士は「シナリオ間では大きな違いがあるのに最終的な結果が一致するのは驚くべきことです。気候変動のもっとも少ないシナリオにおいてさえ、私たちが調べたほとんどの種は適した場所を見つけるために生息地を移動しなければならないでしょう。」と言いました。

この研究チームが調べた地域はブータン、ラオス、カンボジア、ベトナムおよびネパールとインドの一部です。

ダラム大学の生物学・生物医科学校の共同筆頭著者のステファン・ウィルス博士は「気候が変わるに従って、私たちは鳥が生き残れるようにより適した場所へ移動するのを助けなければならないでしょう。多くの鳥は分布を自分で変えて気候に合った新しい場所を見つけるでしょうが、私たちは彼らが広く分散するのを助けるために田園地方を整えたり、極端な場合は彼らを移住させなければならないでしょう。」と言いました。

研究者は東部ヒマラヤとメコン川下流の生物多様性ホットスポットで気候変動の鳥に与える影響を調査しました。その結果、保護すべき懸念のある種に対して適切な気候を維持するIBAネットワークの可能性を予測しました。

バードライフ・インターナショナルの科学部長で共著者のスチュアート・バッチャート博士は「全体としてこれらの重要サイトが今後も懸念種を支えて行く一方で、気候変動はどの種が個々のサイトに適するかを変えてゆくでしょう。」と言いました。

「ですから私たちも保護管理方法を適合させてゆく必要があるのです。良いニュースは自然環境を守ればコミュニティが気候変動に適応するのを助けることにより人々にも利益を与えることです。健全な生態系は気候変動の悪影響から回復する力を強め、人々の脆弱さを減らすのです。」

研究結果はメコン川下流域のIBAは東部ヒマラヤのIBAと比べて気候変動の悪影響をより強く受けていることを示しています。これらの地域の多くの場所で鳥の種に重大なターンオーバー(新規にコロニーを作るか地域的に絶滅する率)が起きるでしょう。

この研究はバードライフ・インターナショナルのパートナーを始めとする数千人の専門家や団体の活動により行われており、マッカーサー財団からの資金支援で進められました。

今回の調査活動はネパール鳥類保護協会、ボンベイ自然史協会(共にそれぞれの国のバードライフ・パートナー)およびコンサベーション・インターナショナルなどを調査パートナーとして、バードライフ・インターナショナルとダラム大学によって行われました。

報告者:Martin Fowlie

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