580万羽がカウントされたユーロ・バード・ウオッチ2016

40のパートナー団体、1,070ものイベント、24,115人の参加者、そして580万羽の鳥―2016年度ユーロ・バード・ウォッチにようこそ

 「It’s raining cats and dogs(土砂降りの雨が降る: 猫と犬が喧嘩をしているような)」という英語の古い表現をお聞きになったことがあるかも知れませんが、これが’It’s raining blue tits and wagtails(犬と猫ではなく、アオガラとセキレイ)だったらどうでしょうか?何事にも初めてがあるものです。今年、2016年度の「ユーロ・バード・ウォッチ」のニュースはスイス国営テレビ局の天気予報で発表されました。気象予報士は実際にはムクドリの「軽いにわか雨」がスズメの「晴れ」に変わると予報したわけではありませんが、彼は10月第1週の週末の天気について非常に正確に予測したのです。つまり、‘鳥・鳥・鳥そして、また鳥’でした。 

1993年に始まって以来、ユーロ・バード・ウォッチはバードライフのカレンダーで愛される恒例行事になりました。毎年10月、ヨーロッパと中央アジアの私たちのパートナーは、すべての人が参加できるバードウォッチング・イベントを各地で主催してきました。経験豊かなバーダー、知識欲旺盛な新人、老いも若きも皆同様に、この季節の大自然のイベント期間中に通過する鳥を観察し、識別し、数を数えます。この時期はちょうど壮大な秋の渡りの季節で、数百万羽の鳥が地中海地方とアフリカの越冬地を目指して南へ大規模な旅をするのです。誰にとっても楽しめるコンテンツがあります。子供向けの楽しい活動、公開の足環付け、鳥類ツアー、写真展などです。けれどもこのショーの主役はもちろん鳥です。ツバメ、ハマシギ、ショウドウツバメ、ジュズカケバトからオニミズナギドリ、カワウまでその他もろもろです。

今年の空の光景は間違いなくすばらしいものでした。バードライフ・スイス(今年の行事のまとめ役)により集められたデータがそれを物語っています。40のパートナー団体、1,070の行事、24,115人の参加者、そして580万羽の鳥が記録されたのです。

数にこだわる人々にとっては、多くの参加国で観察されたズアオアトリとホシムクドリの巨大な群れは正に抜きん出ていました。161,245羽のホシムクドリがオランダで、265,102羽のズアオアトリがリトアニアだけで観察されました。また珍鳥の発見にわくわくする人たちにとっては、疑いなくスロバキアで初記録になったカラフトムジセッカに興奮したことでしょう。

ユーロ・バード・ウォッチの目的はバードウォッチングの楽しさを共有するだけではなく、渡り鳥は具体的に何が必要かということと、年に2度の渡りで彼らが直面する危険について、幅広い層の人たちに知ってもらうことでもあります。この目的から言えば、モンテネグロのポドゴリツァ市の地元の学校の生徒がハヤブサの巣を絵に描いたことに触れないわけにはいきません。ハヤブサは今後この国の全土に再び分布するようになるでしょう。彼らこそ未来のバーダー、自然保護活動家、鳥類学者の卵ではないでしょうか?

観測された鳥の国別・種別データなど詳しくはこちら: EuroBirdwatch 2016 ウェブサイト

 

報告者: Gui-Xi Young

 

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